7月の終わりはパープルの薔薇の花で締めくくろうと思います。
1865年にフランスで作出されたジェームズ・ヴィッチと云う品種です。
近付くと甘い香りが強く、典型的なローズの香りを堪能できます。
この情勢下、薔薇園に足を運ぶ事が難しくなりそうですが、7月は、毎年花を咲かせる薔薇の花を観て安堵しました。
【本日のピアノの練習について】
・ハノン 1~20番の中から10曲
・ハノン 21番、24番
・バッハ インベンション第1番
・バッハ インベンション第2番
・バッハ インベンション第13番
・バッハ インベンション第14番
・バッハ インベンション第4番 (暗譜済)
・バッハ インベンション第7番 (暗譜済)
・バッハ インベンション第8番 (暗譜済)
・バッハ シンフォニア第11番
・ショパン ノクターン第20番(遺作)
・ショパン エチュードOp.10-5(黒鍵)
・ショパン エチュードOp.10-12(革命)(暗譜済)
・その他(スケール、アルペジオ、その他)
昨日に引き続き、スケールとバッハのインベンションに重点的に取り組みました。
◆スケールについて
昨日までの2日間で克服したニ短調とニ長調を現状維持できるよう、4オクターブ×2→カデンツ を、リズム変奏も含め、納得のいくまで練習し直しました。
また、以前苦手意識を抱いていたロ短調とイ長調についても、問題意識を感じない程度まで練習し直しました。
時間配分を考えると全調取り組むのは物理的に不可能なので、毎日7~10調ずつローテーションで練習し、3日間で全調着手するよう8月は上手く配分していこうと思います。
◆バッハのインベンションについて
第8番のテンポが安定してきたので、メトロノーム 八分音符=184,192でそれぞれ片手ずつ確実に「正しい音を正しい拍で打鍵できる事」を確認してから、八分音符=192で両手で確実に練習しました。
この曲は、八分音符=200(四分音符=100)を超えるテンポで演奏するのが望ましいと思うのですが、現段階でそれを実行すると途中からどんどん速くなって歯止めがきかなくなるので、テンポを一定に保つ事を最重要視し、八分音符=192で確実に「弾く」事が現段階での課題です。
第1番は八分音符=144で「正しい音を正しい拍で打鍵できる事」については問題無いと思うので、明日までに暗譜に入ります。
現在、一番難儀しているのが第13番です。
メトロノーム 八分音符=152,164でそれぞれテンポを一定に保つよう努めているのですが、元々アルペジオが苦手な事が起因して、どこかのタッチが必ず甘くなっています。
改善策として、毎日ハノンのハ長調とイ短調のアルペジオを重点的に練習するなど、基本的な事には取り組んでいるのですが、どこか足りない点をどう補うか考えた結果、曲を3分割して部分的に練習する事にしました。
これで3日間以内の暗譜の見通しも立ってきたので、3日間はこの方針で取り組んでみようと思います。
◆バッハのシンフォニアについて
第11番の運指が2日前に確定し、漸く「どうしたら巧く音を出せるか」考えられる土俵に立つことができました。
運指の迷いが音の迷いに繋がると今では思います。
上記添付画像はヘンレ原典版の楽譜の第49小節~第60小節の部分です。
水色で囲んだ箇所は指のすり替えを行う部分、緑色で囲んだ箇所は左手でとる部分です。
第61小節~最終小節。
全体を通して、右4,5のすり替えが目立ちます。
この曲の繊細さを要求される部分には薬指が良い加減を調節できるのか、弾き易い・良質な音を出し易い指使いを熟考した結果、左右共に敢えて4を使っている部分が多いです。
【今月の総括】
1日のうち、ピアノの練習に割く事が可能な時間を捻出している割には、練習の効率が悪い気がしてなりません。
正確に表現すれば、暑さが原因で体調が芳しくない日にも無理をしている時が多く、結果として「バッハの曲や革命について悪い癖が付いた」箇所が有る感が否めないのです。
複数曲手を付け過ぎて消化不良になっているのか、基礎練習の仕方に問題が有るのか、現段階では判りませんが、来月から、
・「1曲を通して弾いてみて、それから問題箇所の部分練習に入る」今までの方針を変更する
・まず、その曲の自信の無い部分を練習した後、時間に余裕が有れば1曲を通す
この2点に留意したいと思います。
そもそも何故今ピアノの練習に毎日取り組んでいるのか、原点回帰して考えてみると、「弾けるようになりたい曲が沢山有る」、これがピアノを再開した時の動機の一つでした。
今では、「既に獲得したものを失いたくない」と云う感情が強く、常に、「ライバルは1ヶ月前の自分」、「昨日の自分」だと云う認識が強いです。
振り返れば、ほとんどの物事に於いて、私は、他人と張り合ったり、他人に嫉妬したりする事があまり無く、常に「ピーク時の自分」を意識して、その時と比較して出来が悪いと落ち込む性格でした。
競争心が無い、渇望が足りない、などとよく言われてきました。
この場合、ピアノに於いては、過去に習得した曲を「現状維持」し続けるだけでも想像に難くない日々の鍛錬が要求される為、内に秘めたる「向上心」は燃え盛っていました。
矛盾するようですが、ピアノの場合、一度習得した曲を過去の到達度と同等に保つだけでも相当な日々の鍛錬が必要である為、どこかで妥協しなければならないのです。
妥協する事、「自分の理想」に満たない自分を赦す事、これが非常に苦手な私は、常に自分との精神的な闘いを強いられる訳です。
「既に獲得したもの」を「元から無かったもの」だと捉える事が出来れば気が楽になるのですが、その発想の転換は今では出来そうにありません。
本当に心底好きな曲は何なのか…ショパンの「革命のエチュード」と「幻想即興曲」なのではないか…。
それでは、その2曲だけ毎日練習していればよいではないか…。
そう考えても、人間の欲望は際限無いので、新たな曲に着手したり、完成度を高めたりしながら、常に自分との闘いを繰り返しています。