黄色いパンジーが気に入ったので、こちらに添付致します。

 

 

 予てより感じていたのですが、趣味であれ学業であれ、何かを誰かに習うという事は、現状のスキルが未熟であり、且つ自学自習が困難であると云う前提が有るのではないでしょうか。

 

 嘗て多くの方が通ったであろう学習塾予備校についても、現状の学力が未熟だと云う自覚が有ったからである人が多数だと思います

 例外として、自分の受験する学校の情報収集友達作りの為に通っていた人も居ると思いますが、そのような場合であっても、自力で収集した情報不足を認識していたり、或る分野に於いての友達が不足している事を自覚して、自らの不足している分野を補う為に集団に所属するのが基本的な考え方だと思います

 

 習い事の場合、何故スキルが未熟だと先生が機嫌を損ねる事が多いのか不思議に思います。

 

 特にピアノの場合、前提が他の分野と大きく異なり最初から或る程度は完成している事が求められる傾向にあります。

 

 大学の専門分野の講義であれば、入試の段階で選抜され、専門用語の意味すら解らない学生は低学年から進級出来ないシステムを取っている学校が多い為、受講者は全員例外なく少なくともその分野の初心者には足を突っ込んでいると推定されます。

 しかし、習い事の場合、その分野に於いて現状のスキルが未熟であり、且つ自学自習が困難であるのはもはや「当たり前」と言っても過言では無い思います

 

 ここでふと思ったのですが、外国語系大学フランス語学科ドイツ語学科に入学する際、フランス語ドイツ語などの自分が専攻する予定の科目の試験が入試に課される事があまり無いのに対し、音楽大学に於いては、入試の段階でピアノ科であれば必ずピアノの実技試験ヴァイオリン専攻であれば必ずヴァイオリンの実技試験が課されます。

 語学の習得には非常に時間がかかる事は周知の事実であるにもかかわらず、フランス語の単語すら知らない状態であっても日本国内ほぼ全ての大学のフランス語学科に入学する事が可能です。

 今では、理工系の学部であっても、数学ⅢCや物理を未履修のまま一般入試を通過出来る制度を施行している大学すら見受けられます。

 

 この現実と照合すると、何か楽器を習う際には、他の分野と異なり「最初から或る程度出来なければ習う事さえ出来ない」と云う風潮が蔓延っても不思議ではありません。

 

 音楽は習う前に楽器を入手して練習する必要があるのに対し、語学の場合、専攻予定の辞書すら持っておらず、文字の読み方すら知らない場合であっても入学が可能です。

 

 大学習い事とを同列に扱うべきではない事は承知の上で記載しますが、習い事としてのピアノのレッスンに於いて、未熟である事が許されない思想は此処から産まれているとも考えられます。

 

 別の見方も有りますが、今回はこの観点から記載しました。

 実は上記の件を昨年2月頃から考え始め、周囲に打ち明けてみたところ、このシステムについて疑問を抱いている方に全く出逢わなかったので、自己消化出来ずに今まで過ごしておりました。

 5年後は上記事実が見直されるかもしれません。