所用で神社の近くを通りかかる機会に恵まれたので、少し立ち寄ってみました。
新型コロナウイルスの影響で、以前は手水舎であった場所が使用禁止となり、封鎖されております。
本来の神聖で荘厳な雰囲気が漂う手を清める空間から打ってかわって、色とりどりの華やかなお花が浮かべられておりました。
一見してホテルのケーキバイキングのような心ときめく光景を目にして、神職様の粋な計らいを感じました。
芯の強さと華やかさを併せ持ち、時にあでやかにさえ映るこの空間の演出が私の視覚に入ってきた瞬間、晴れやかな気分になりました。
寺社仏閣での一般的な礼儀作法としての手水について、新型コロナウイルス感染症の流行により、存続の危機を感じます。
此処数日間、様々な事に対し、ネガティブな想いが拭えず、鬱屈した日々を送っていたのですが、一転してそのネガティブな想いは私の中からどこかへ吹き飛んでいったような不思議な感覚でした。
水辺に浮かぶ色鮮やかなお花の美しさにより、私の気分が浄化されたようです。
非科学的な事はあまり信じていないのですが、神社に宿るスピリチュアルな力を授かったのかもしれません。
以前、クラシックバレエを習い始めて1~2年目の頃、バレエの先生から「もう少し自信を持って」「ポジティブに考えて」とよく言われていたのですが、その頃特に印象に残っている事が有ります。
バーレッスンの際、基本的なプリエやグランプリエを行う時に先生がお選びになったCDの曲が、ショパンのノクターンOp.9-2だったのです。3拍子の曲で、バレエレッスンに使用される音楽としても普段の鑑賞用にも適切で、且つ優雅な気分に浸る事が出来る美しい曲です。
私の非常に好きな曲であった為、レッスン終了後、レッスン室を出る際、先生にショパンのノクターンOp.9-2について、
「あの曲を弾けたら良いんですけどね…弾けないんですよ…」と私が述べると、
先生から、「あら、弾いてみればいいじゃない」とのご返答。
私は、「…それが、ただ音を鳴らしているだけで、『美しく奏でる』事が難しく、私がこの音楽を汚してはいけない気がするんです…この曲は美しく音色を響かせなければ、ショパンへの冒涜のような気がしてならないんです…だから…『弾けない』んです…」と述べました。
私の発言に対し、先生からのお言葉は、
「貴女は色々な物事に対して完璧主義と云うか、理想が高いと云うか、もっと気楽にポジティブに考えていいのに…と思うわ。
以前、私のクラスに体験レッスンに来たバレエ未経験者がね、『私はバレエは上手くないけどヨガは得意なんです』って言ってたの。
だから私、『貴女ヨガはどのくらいやっていたの?』って訊いたら…『ヨガの体験レッスンに一回だけ行った時、そこのインストラクターの方から上手いって言われた』って言うのよ。
世の中にはそう云う人も居るの」
このようなものでした。
私は、先生のお話の中のヨガが得意と自称する方の精神性を見倣う事は到底出来そうになく、また、自分自身を完璧主義だと捉えてはいなかった為、一旦心に留めておくだけにしました。
先日のピアノのレッスンの際も、ピアノの先生から、「ちゃんと弾けてるんだから、もっと自信持って」「一番足りないのはポジティブさ」と言われ、約10年前のバレエのレッスンと同様、ポジティブさを身に付ける事が一番難しいと痛感しております。
自信を持つ為には、否、自信を持つ為にネガティブな想いを払拭する為には、意識的に何かを行うよりも単純に視覚的に美しいものを見る事が奏功するのかもしれません。
持ち物自慢 人の陰口
ネガティブに勝る敵はない
(「君の代わりは居やしない」 モーニング娘。'14)
ソチオリンピック日本代表選手団公式応援ソングとしても用いられた曲です。
奇遇にも、ソチオリンピックで浅田真央選手がSPの演技の際採択した曲はショパンのノクターンOp.9-2でした。
この偶然性に気付いて少しポジティブになれた気がします。