以前、撮影に傾倒し始めた頃の事です。
ドレス撮影を趣味にしていると、或る時、拘りの有るプロのカメラマンの方から、被写体の練習台となる気は無いかとお声をかけて頂き、引き受けた事が有ります。
プロのモデルの方々が被写体となって衣装を宣伝したり、写真集の被写体となる方のカメラマンを務める際、経験の浅いカメラマンは自らの技巧を鍛錬すべく素人を被写体として撮影の予行演習を行う事も多いようで、このようなお誘いに数回遭遇しました。
御礼として撮影データを頂ける(※商業用目的に使用する事は禁止する等、様々な制約は有りますが…)上、煌びやかな衣装を身に纏う事が出来る貴重な機会でしたので、私はスケジュールが合えば参加しておりました。
自分の意思で衣装やヘアスタイルを選択する事が出来ないと云う制約も有りましたが、普段自分では入手出来ない衣装や新作衣装に触れる事が出来るのは大きなメリットでした。
趣味で撮影を行う際、黒いドレスや妖艶な感じの漂う衣装は自分から選ぶ事は無かったのですが、このような機会に恵まれれば様々なジャンルのドレスに遭遇する事が出来るのも良い点だと思います。
黒のシースルードレスで裾の動きを工夫すると撮影用に変幻自在に操る事の出来る造り。
趣味と異なり、ポージングを細かく指示されるので、本物のブライダルモデルの方やオーディションを受けようとしていらっしゃる方々がポージングの勉強として引き受ける事も有るようです。
私の場合、完全に趣味として行っており、被写体となってギャラが発生した事は学生時代の数回のみで、この撮影時は既に全く異なる業界の職に就いておりました。
カメラマンの予行演習として撮影された訳ですが、後日、同じ衣装を身に纏い、プロのモデルの方が被写体となった時の作品は妖艶な雰囲気で圧巻でした。
趣味であっても、被写体となる際の極意として、1日7~8時間要する撮影の際の昼食について、衣装を汚さないよう工夫出来る物を選ぶ事や着替える前ストレッチをして体をほぐしておき、身体を柔らかくしておく事が挙げられます。
また、長時間立っていても足に負担がかからない撮影用の靴を数足持っておくと、様々な衣装に対応出来る為、直前にお声掛け頂いても慌てずに済むと思います。
そして、撮影現場は大抵空調完備されていない為、冬は寒く夏は暑いです。
ドレス撮影の際、冬場は気温が10℃未満である事も全く珍しくありません。
夏のパニエ付きドレスも想像以上に身体に負担がかかります。
故に、容姿端麗である事よりも、この気温の変化に適応出来る事の方が求められる要素で、長く被写体を続けている方々は冬に生姜湯を魔法瓶に入れて持ち込む等、自分なりの対策を皆様万全に行っております。
ジャンルは全く異なりますが、RQや某モーターショーに出場している知人も同様の事を仰っていました。
某モーターショーや司会系のオーディションにありがちな事等を記事にしたら沢山話の種が出てきそうでなりません。
「オーディション必勝法!! 身長のハンデはこう乗り切れ!!」等と記載したら面白そうです。
今、ショパンのバラード第1番を割と本気で練習し始めてしまい、移り気の多い私ですが、ショパンのピアノ曲を練習すると云う点に於いては核を成す部分は変わらないつもりです。