標題の通りですが、ピアノを効率良く練習する為には、1日につき時間単位で練習時間を設定する事と共に、どの時間帯を使って練習すべきか考えた事が有る人が多いと思われます。
人間に平等に与えられた1日24時間と云う枠組みの中で、どの時間を充てるべきか。
子どもの場合、学校に通う日は朝食後登校前の時間を活用すると良いのは広く知られております。私も小学校時代はこの時間と夕方の時間帯を練習に充てておりました。
人によっては、朝食後登校前の時間帯を勉強に充てていると云う話もよく耳にします。私も大学1年生の頃はこの時間を第二外国語の勉強時間に充てておりました。その行為が功を奏したのか、苦手意識の強い語学の単位を落とさずに済みました。
一般的に、起床後2時間後までの間は集中力が高まる時間帯だと言われておりますので、理にかなった時間の使い方だと思われます。
それでは、成人の場合、仕事の時間帯が必ずしも朝だとは限らず、また、家庭を持っている方もいらっしゃいますので、小学生や中学生のように「登校前の時間」が「出社前の時間」と必ずしも一致する訳では無く毎日一定した時間の確保が難しい場合も有ると思います。お昼から出勤・平日が休日と云う方は特に生活のリズムや休日の概念が世間一般と乖離しがちですので、そもそも「朝」の定義が異なる事から考え直さなくてはなりません。
どのような生活リズムが確立されていたとしても、一つ言える事が有ると思います。
ピアノを練習出来る健康体を持ち合わせている人間には、起床後の時間が存在します。
その時間が午後であっても、睡眠を取った後目覚めた時刻が通常は必ず存在するはずですので、この時刻から2時間以内を練習に充てると良いのではないでしょうか。
素人の個人的見解ですが、起床後、食事を摂った後が最適なのではないかと思います。
空腹の状態でピアノを練習するのは体力的に厳しい場合も有りますので、趣味として取り組む場合は栄養を摂ってからの方が適切である気がします。
私自身、現在、起床・食事後、家を出る前に60~80分間練習し、帰宅して30分間~練習に取り組み、1日の総練習時間が最低90分間になるようにしております。
時間よりも質を見直して重視すべき点も有りますが、ピアノの練習の特性として、10分間の曲を練習するには必ず通し練習に10分間要する事実には誰も逆らえませんので、まずは物理量としての時間が必要となってきます。筆記試験の勉強ならば夜寝る直前に詰め込んで睡眠から目覚めた瞬間から着手するのが効果的ですが、ピアノの練習をする為には、自分の身体をピアノと云う楽器に触れさせる事が必要条件ですから、筆記試験のようにベッドの中で練習する事は物理的に不可能です。
故に、生活リズムのどの時間帯に練習時間を組み込むべきか、この点が効率の良い上達法としては重要だと思います。
個人的な体感に過ぎませんが、1日が終わりかけ、疲れて帰宅した後の練習により得られたものより、起床・食事後、家を出る前の練習の方が効果的な気がします。起床・食事後、家を出る前(一般的には午前中)の時間は、仕上がりには程遠い曲の部分練習や仕上がりが見えている曲の弾きにくい箇所の練習に使うと後に実を結びやすい気がします。
人によるのかもしれませんが、仕事や運動で疲れた後にピアノに向かっても新たな分野の習得と云う観点からするとあまり効果は得られず、この時間に取り組むと良いのはゆっくり確実に打鍵する方法等の、仕上がり目前の曲や過去に仕上げた曲のやり直しで、新曲の部分練習をしても疲労ばかりが溜まっていく傾向に有ります。
そして、1日と云うサイクルを1ヶ月前後のスパンで通して見た場合、女性は特に自分の体調の変化に合わせて物事の計画を調整している方が多いと思われます。
匿名性を利用して率直に記載すると、月を経ると書く「月経」の存在は無視できませんから、自分特有の月のサイクルに合わせて新曲着手時期・見直しの時期に適した時期を設定して、月経周期に合わせて計画を立てる事が肝要となります。
不調の日の不調な時間帯に3時間頑張るより、好調なタイミングの30分の方が遥かに効率的ですから、好調なタイミングを見計らって、不調な日は早めに練習を切り上げるのも一つの方法だと思われます。
一般論として、卵胞期に当たる生理後8~14日の期間に取り組んだ物事は成果を出し易い(散々言われ尽くされている事ですが、女性誌にはダイエットに効果的だと記載有)とされており、ゴールデンエイジが終わっている成人女性にとって、この期間はプラチナタイムとも言える貴重なチャンスデーですので、男性のようにコンスタントに毎日物事をこなしていくより、プラチナタイムと不調な時期とのバランスを考えながら配分していくと良いと思われます。
防音装置の無いアップライトピアノで近隣に配慮する必要が有る方や第三者所有施設をお借りしている方など、環境によっては選択不可能な場合も有ると思いますが、いずれにせよ、実を結びやすいタイミングに合わせて練習に着手する事が重要です。
年齢・性別関係無く、朝家を出る前の時間は、否が応でも「ここで練習終わり」と云うタイムリミットが有りますから、その危機感が集中力に拍車をかけると云う特質も有るのかもしれません。テレワークであっても本質は同じだと思われます。