「父さん、母さん。 私、あの人と東京で暮らす事にしました。
馬鹿な事だとは十分解ってます。私だってもう子供じゃありません。
自分で考えれます。ごめんなさい。最後のわがまま許して下さい…」

愛する人が今の私の全てです貴方がいるから私が私でいられるの
あの日貴方から渡された東京行きの切符と打ち明けてくれた、将来と夢は
「この街を出て東京で一緒に暮らしてくれないか?」
私は少し戸惑いながらも嬉しかった

不安なんて少しもなかった 愛する人が一緒ですから
辛い時や寂しい時も多少あるでしょうが

頼る家族も捨ててきました馬鹿な甘えや未練も全部
貴方との新しい人生と夢の為に

貧しさが身に染み渡る だけど貴方が居るから
帰りを待つ時間さえも幸せで溢れてる
心を込めて作った貴方が好きな料理
喜ぶ顔が早く見たい…
見たいです

「東京の生活にも慣れてきました。あの人は毎日夜遅くまでお仕事がんばってます。
そのせいでしょうか、最近元気が無い様に思えます。
私が聞いても、ただくたびれた笑顔を見せるだけで答えてくれません。
心配で仕方ないです。」

「ただいま。」

とても優しい貴方の声 辛いときはいつも二人で支え合った
どんなに不幸でも二人なら大丈夫だった

愛が冷めた訳じゃない ただお互いの気持ちが
そっぽを向いてただけ

初めて貴方が泣いてた社会に破れた夜
何て声をかけたらいいか...教えて
夢の為に無くした幸せな家庭は 前を向けずただ悔しくて泣いている
貧しさが身に染みる 二人は手を取って
季節外れの線香花火を見つめてる
この火種が落ちて未練が無くなったら
目を閉じて極寒の海へ... 二人で。

繋いだ手がほどけて

無になる私と貴方。

「貴方と過ごした十三ヶ月間。本当に色々ありましたね。
一緒に居たからよく解ります。頑張り過ぎてつかれたでしょ?
もう大丈夫 私ずっと一緒にいるから。 ごねんね父さん、母さん。
あたしこの人無しじゃ生きて行けない。心配させてごめんなさい。
ごめんなさい。ごめんなさい…」

東京心中より。



あの時のあの人がいないと生きていけなかった。
居なくなったらどうしたらいい?

夢を諦めたのは貴方?わたしのせい?
何も言わないから私たちはわかりあえなかった。

そして二人は離れ離れになった。

貴方はもうあの時のあなたじゃない。
同じ顔した見知らぬ他人

愛してた貴方は何処にもいないの。もう二度と逢えない。
一緒に暮らしたこの部屋にいると今もあの人の声が聞こえる。

朝起きるとあの人の気配がないことが怖い。


生きてるけど心がもう壊れてしまったの。
生き地獄。

延々と続いてる。
深い深い樹海の中で裸足で私は彷徨ってる。


私、アスミって言います。
高校一応いってます、アレ?行ってたの間違いか。

アスミにはキョウカって双子の妹がいて顔は同じなんだけど
中身が逆っていうかー。

キョウカは子供の頃からホント辛気臭かった。
何かにいつも怯えてる風で悩んでるみたいだし何だかわからないけど
いつも何も言わずアスミの後をついてきてたそんな記憶しかないよ

キョウカを見てるといつもイライラしてた。
なんでそんな暗いんだろなんか話さないと何考えてるかわかんないしー
なんか言うと余計に黙るから話になんない

大きくなるにつれ私はキョウカから自然と離れていった
同じ高校に通ってるけど中学入る前から私の周りには自然に人がいつもいたし
それなりに男もよってきたし友達も彼氏もいつも適当にいてすんげー楽しいって事も
ないけどつまんなくはなかったよ。

気がつくとみんなアスミ!アスミって寄ってきたからがっこーでも外でも
毎日適当にやってたね。

逆にキョウカは影が薄くってたまに見かけると隅の方で本を読んだり一人でポツンと
いつもしていた。たまに霞んじゃって見えてたんだよねー
ああいうの根暗っていうの?

うちはママしかいなくってパパっていうかオヤジはすんげー小さい頃からいなかった

記憶はまったくないね。キョウカも多分そうだと思う。

ママは友達の親と比べるとわりと若い方かな?ブスじゃないけどケバ過ぎる
マジで化粧濃いよ?

まー。お水でずっと私らを育ててきたけど家に男は連れ込んだことがない。
これは母親としてはいい所なんじゃないかな。

今は自分の店のことでいっぱいいっぱいで私達のことまで考える余裕ないみたい。

ママは「あんたー子供だけは作るんじゃないよ」
ってのが口癖であとは何も言わない楽な親だと思う。

彼氏のシュウジのうちに泊まろうがうちに泊まらせようが文句は言ってこなかった。
というか店が忙しいから合ってないのが正直なトコ

今つきあってるシュウジは顔はイケてるし何だかんだ文句言いながら
何でもいう事聞いてくれる優しいやつだから懐いてきて情がわいちゃったっていうか
子犬拾った的なノリでつきあってる。

でも他にいい男がよってきたら多分そっちいくとおもう。
いつもそんなノリで男とは付き合ってるし

シュウジはモテるタイプだったんだけど私の後いつも追っかけてるから
今は人気ガタ落ちだねーさげまんってこういうこと?

私がパシリにしちゃってるのが原因かもね?

なんだかんだ学校もプライベートもそれなりに楽しくやってたんだ
私はキョウカとちがって人の目とか成績とか将来とか心配とか全くない人間だったか
シュウジのことで僻んでる女たちの悪口さえどうでもいいって感じでね

ストレスフリーの16年間を送ってきたんだ。


あの時まで・・・
そうキョウカが消えるまではね。

キョウカが突然消えたんだ。
ママは無関心だし私が探すしかなかった。

探したよ家族だし双子の変な虫の知らせっていうか胸騒ぎがしたんだ。
やっぱりいなくなってた消えちゃったんだよ存在がね。

踏み切りにキョウカの化粧ポーチとか大切にしてた私とのお揃いの鏡の破片が・・・
落ちていた。

けどキョウカの存在が消えたことに誰も気付いてないんだ。
さっきまでいたのにだよ?

おかしくない??
警察ちゃんと調べろよってすげームカついてキョウカの持ち物素手で拾いながら
ムカつくー!なんでだよ!っていいながら一つ一つキョウカのいた証を拾ったんだ。

一つ一つ拾っていくうちに私にもキョウカの悩んでた事がわかったんだよ。
私、アスミはキョウカと同じで器のない存在って事がね。

始めて悔しかった悲しかった寂しかった。自分もママもキョウカもシュウジも。
全部誰かの頭の中だけの存在だったんだって気付いちゃった。

その時踏み切りが鳴り始めて私の最後を告げていた。
キョウカとの思い出とシュウジの姿、ママとのたわいない会話すべてがあふれ出てきた。

そうアスミはいないんだよね。
踏み切りの棒が降りてくる時に世界が終わったんだ。



誰かの夢が閉じる時私が消える時だったの。
記憶をせめて残して欲しいから強く願ったアスミがいたこと。
キョウカやママやシュウジの事本当は大好きだったんだって消える時にわかったから



踏み切りの音は誰かの目覚ましのアラームの音だったなんてね。
わらっちゃうしかないよね。

さよなら私、16年の人生は幸せだったんだよ。

次は器を持って生れてきたいな。
翼を捥がれてしまった。

稲妻と共に激痛に支配されて意識を失い暫しの時が流れた。

我にかえると翼と両腕がなかった。白く美しい私の翼がみつからない、そして腕がない。


私は何をしましたか?どんな罪を犯したのでしょう?自覚がないのが罪なのですか?

ただただ黙って立ち尽くすしかない木のような私に雨の雫が濡らす雪の結晶が積もり溶けて落ちる。

痛みにはもうなれたけれど

いつまで立っていればいいのでしょうか?何もないこの世の果てというこの場所で

土に換える事ができるのはいつなのでしょうか?

時間の止まったこの世界でたった一人残された私に永遠という苦痛を与えたのは何故なのでしょうか?



空を飛びたいもう一度。

永遠を代償として引き換えに消えてしまいたい青い空の彼方へ




夢は何を暗示するのか?





冬がくるね。私は冬が一番大好きなの、本当の美しい季節は冬なんだよ

冬の澄んだ空気と綺麗な星空にくっきり浮かぶ月

雪が降って美しい結晶が見れる全く同じ形がない。
次々に溶けてしまうから延々と手の感覚がなくなるまで私はずっと見つめてる。

冷えた体が温まると血液が体中に流れる感じがたまらなく好き

コタツも床暖も普段はそっけない愛猫と肌を寄せ合えるから好き

お気に入りのコートのポケットの温もりが好き、ブーツをはくのも大好き

ずっと冬でよいと思う、ずっとずっと冬が続きますようにっていつも願う





私の心はずっと冬だから季節が春になると置いてきぼりになるのが切ないんだよ

桜は好きだけど何か失った気持ちになるんだもの。

時が止まればいいのにね。


昔から私はいつも冬は一人ぼっち。

寂しさを今は心地よく感じてるから私の心に春はこなくていい。

ざわざわとかどきどきするのには疲れてしまったの、もう二度となくてもいい。

静かで冷たくて寂しくてこれ以上冷えることがない安心感がいい。


眠れぬ夜の独り言。愛猫が背中に寄り添ってる・・・

ほんの小さなことが幸せだなって思えることに感謝


今宵、曇り空の上に隠れた星の瞬く空のように素敵な夢がみんなに降り注ぎますように
雷きらい大嫌い。

昔、目の前で落ちたの怖かったの・・・
核爆弾ってこういうのなんだろうな死ぬのかなっておもった。


私には雷が頭の中でも落ちるの。
それは遠い遠い記憶で奥のずっと奥の中にあるのにね。

人が雷を落とすと私の中にもそのずっとずっと奥にある雷がやってきて
また今その時みたいにブルブル震えて涙が止まらない。

ごめんね、私が悪いの、私がいなくなればいい。
無意識に口がひらいて震えてそして涙が止まらない。

雷が落ちると土砂降りの雨はしばらく止まらない。
私はこれを涙曜日と呼んでいる。


涙曜日は昨日終わった。


この雷と涙曜日はフラッシュバックと呼ぶんだって。

記憶の奥の中にあるものはどれだけ臆病で深い闇なんだろう・・・



一人ぼっちの私は雷は大嫌いなんだ。
赤い月が出る夜は気をつけて

幻を見てしまうから・・・

赤い月の魔法にかかると人は過ちを犯してしまう。


優しい目が温かい手が差し出された手が真実だと思い込んでしまうから


この気持ちは恋なの?愛なの?それとも・・・
水面に浮かぶ赤い月が私を惑わしてしまう。


私はまた過ちを犯してしまいそうになる。
心地よい麻薬のような毒の誘惑に抗えない。


魔法が解けるとまた掴んだはずの幸せは砂の城のように崩れ去る。


美しい赤い月。

赤い月に魅せられた者は足掻き苦しむ永久に・・・

赤い月が出る夜は気をつけて

見てはいけない幻に心を盗まれてしまうから

赤い月が消えた後に残されたのはただの抜け殻の身体と砕け散った心だけ。



もう何も求めてはいけないと知りながら今夜も赤い月を欲してしまう・・・
己の弱さが悲しい。








1 僕は君に躾をされた覚えはないよ、だけど君が喜ぶから
  してあげているんだよ。あまりにも笑顔になるからね!

2 僕の命は10年から20年だから長生きしてねと毎日
  君は言うけれどそれは運命だから変えられないよ。

3 僕は犬じゃないから、あんまりしつこいと噛んでしまう
  悪気はないんだ、わかってくれてるかな?

4 君はわかってると思うけど僕は遊んで欲しい時に
  アピールしてるんだけど君が病気なのは僕もわかってる。
  でもストレスたまってしまうんだよ。
  たまには遊んでくれたら嬉しい。

5 僕は君の言葉はちゃんとわかってるよ。
  僕と君は人間と猫だと思っていないからね。

6 僕が噛み付くと君は大きな声で騒ぐけど、余計に
  興奮してしまうから気をつけてね。
  あとね、噛んだ跡はいつも反省しているんだ。  

7 僕をこれからも今までのように優しくしてね。
  太っても噛んでも可愛がってよね。
  指きりげんまん! 

8 僕は、自分で楽しみを見つける力があります。
  でも「犬は人につき、猫は家につく」というのは、
  違います。僕は君が好きなのです。

9 僕が留守番してる時、君の時間で言うと1時間は4時間
  なのです。だから出かけるときはその事を忘れないでね。

10いつか、僕が死ぬ時できるなら・・・
  いや。絶対にそばにいて欲しいんだ。
  肉体を離れても心は君のそばについています。
  泣けるだけ泣いたら、思い出を大切にして生きてください。
 僕は今もこれからもずっと君の泣いてる姿をみると哀しいです

α あの日、僕をあの小さなガラスケースから出してくれて
  愛してくれてありがとう。
  君にとって僕が特別であるように僕も君が特別なんだよ。

 

猫はわがままじゃない。上から人間をみてるなんて私は思わない。


自分に素直で人つきあいがちょっと苦手なだけなんだよ。
氷の城に住む孤独を抱えた姫は檻の中から月をみては毎晩泣いていた。

氷の城に住む王様は自分の愛する姫を自分の物として檻に閉じ込めた。
それが愛情だったのか王にしかわからない。

王は姫とは言葉も交わさず、目も合わさず、触れもせず・・・
まるで飾り物のように綺麗な檻に飾っていた。

ある時泣いてる姫に月の化身かと思うような優しい光が差し込んだ。
それが薔薇の王子だった。

光の渦の中で姫は薔薇の王子と出逢った。

姫には王子の声と姿が見えなかったが文と薔薇の王子の肖像画で癒されていた。

なんとお優しくて美しい王子なのでしょう。心の中では惹かれていても姫は王様の物。

檻から出られない姫は何度も差し出された王子の手をとることはなかった。
罪を犯してはいけない。心で唱えながら・・・

月の出る夜には薔薇の王子は魔法のような愛の言葉や詩で姫を幸せにしてくれた。
希望をみせてくれた。夢をみせてくれた。愛してくれていた。


人は罪を犯す、慾深い生き物・・・
姫も例外ではなかった・・・


孤独が姫を蝕んで月の輝きのない夜など、薔薇の香りのない時間など
考えられなくなっていた。

姫は自ら禁忌を犯す覚悟を決めた。


ある満月の夜、薔薇の王子にそれを告げると・・・
いつもは優しく差し伸ばされた手は消えてなくなってしまった。


涙に暮れる姫。
希望である月の灯りを失くした姫はより一層の孤独に蝕まれた。

私はもう全てを捨ててもかまわない。
神様、薔薇の王子のいる場所にどうか私を連れて行ってください。



姫の一心の想いは届けられた。



しかし、薔薇の王子などいなかったのだ。
薔薇の王子は月が見せる幻だった。

姫は城も追い出され路頭に迷った。

薔薇の王子は私の見ていた愛しいあの方は・・・
月がみせた幻なの?なんて私は馬鹿だったのだろう。

神様は薔薇の王子の仕掛けを教えてくれた。
姫の心はガラスのごとく砕け散った。


姫があまりに気の毒に思った神様は最後に一度だけ満月に王子の姿をみせてくれた。
王子は姫の手を取って月明かりの中踊ってくれた。


最初で最後のダンスと姫は知っていた。
月明かりに照らされた薔薇の王子はとても美しかった。


朝、姫が目を覚ますと大きなカエルが姫の隣で眠っていた。

カエルは姫に恋して同じように毎晩、神様に一生懸命祈りを捧げていたのだ。

どうか神様、薔薇の花のような姿の美しい王子に私を変えてください。


優しい姫は、目を覚ましたカエルにお礼を告げた。
いつも優しくしてくださったこと。楽しい時間を下さったこと。寂しさから一時解き放ってくれたこと。

お別れのキスをするとカエルは嬉しそうに沼に帰っていった。
姫はより一層の罪を孤独を抱え病んでいった。


帰るところは元の檻しかない・・・
追い出された檻に戻るとそこは廃墟になっていた。


神への願いには代償が必ずつくのだ。
檻のあった城は無残に崩れてその後に苔や蔓が巻いていた。

それでも姫はそこにいるしかなかった。
今でも姫はそこに居続けている。

全て失ってもいいあの時そう思ったのは姫自身だったのだから・・・


新月の夜は沼のカエルの姫を思う鳴き声と姫のすすり泣く声が聞えるという。


罪には罰が与えられるのだ。
姫はガラスのような姿に変えられもう誰の目にも姿は映る事はない。


永遠の孤独を過ごしているのだ。
月に恋した姫


その姫を今では恋月姫と呼んでいる。



多分、これは白昼夢?

それとも発作で意識が飛んだときに見てる幻覚なの?



寝ていると大きな地震があって目がさめた。


地震というよりも・・・

何かにぶつかったような酷い揺れで上下左右がわからない感じになり・・・
とても目を開くのが怖かった。


恐る恐る目を開くと私のマンションの外は昼なのにどんより暗くなっていた。
窓も吹き飛んでゴーゴー音をたてていた。
激しい渦のような空間に引きずりこまれる君を 追いかけて私もそこに入っていった。


ゴウゴウという音と身体に当たる石などで酷く身体が痛かった。

その中で君をみつけて抱きしめて必死に耐えていたら私の身体が急激に冷たくなっていった。

どれだけ時間がたったのか気付くとそこは何もない雪だけの世界で・・・
人の住んでいない感じの場所だった。みわたすと建物の跡、廃墟のような場所。

私と君だけがいるような世界だった。

私が縮んだのか君が大きくなったのか猫である君が大型犬位の大きさになっていた。

そしてその世界では二人は言葉は話せないけどテレパシーで会話ができた。
この廃墟で天災と闘い続けた。

食糧は廃墟の中からいつのものかもわからない缶詰などをあさって浮浪者のような毎日をすごした。

竜巻やら、津波やら、地球ではありえないくらいの環境で もうダメだと思う毎日に日々、疲労していった。


地球はどうなってしまったのだろうか・・・
「僕にはわからないよ・・・」君から答えが返ってきた。

あるとき廃墟の中で人気はないのに灯りをみつけた。
なんだろう・・・

近づいてみたら通信室のような部屋だった。
そこにあるパソコンで衛星画像をみれたのだ。


助かるかもしれない・・・
だけどモニターに映ったものに身震いした。


画像をみて驚いたのは、 地球が半分が跡形もなくなっていたこと。
そして歪な形なのは大きな隕石が吹き飛んだ半分と くっついていたようだ。

色々な画像をみた。 ニュースのようなものも見ることができた。
地球では世界中で暴動が起きていて、中規模で戦争状態のような 生存競争がなされていた。

治安も法律も何もない世界。みんな食べ物や着る物住処さえ
殺し合いで奪い合いのだ。

みんな心が荒んでしまっているのだ。

私たちは隕石の側にいるようだ。
向こう側の世界とは断絶されていたからどんなに酷いものでも故郷であった場所をみるのは落ち着くもので
二人でいつも日課にモニターの前にいることが多かった。

毎日、地球の様子を見ているうちに私たちと通信ができる知り合いのような仲間が地球にできた。
10人位の20代~30代のグループでこちらの様子とあちらの様子の情報交換をしていた。

生物もこちらの方のは地球外のものだから研究になるとのことだった。

たしかにしばらく暮らしているうちに変わった動物達に出会ったりした。
私は君は防ぎようのない大変な天災に日々苦労しながらも だんだんとそこの生活になれていった。

でも先は見えていた。実る事のない食物。底をつく残された食料や水・・・

そして、こちらの状況とだんだん酷くなる豪雨や地震や雷、大雪など生きるのに限界に
達していることを向こう側の相手に告げて助けを求めた。


それからしばらくしてある日に地球側から無人の乗り物がやってきた。
乗れるのは人間のみ定員1人。

君は「僕はここで向かえを待ってるから先にいっていいよ」といったけど・・・
一人、君をここに残しておいていくなんて考えられなかった。

「離れたくないよー!」ふわふわの君の毛皮にすがって子供のようにないた。
君は「僕もだよ君が一番大切なんだ、だから行って欲しい」そういった。

私は「一度反対側にもどるけど必ず貴方を迎えにくる」といって
その乗り物に乗り込んだ。

吹雪きの中二人は離れ、飛び立つ私を見送る君の姿が小さくなって見えなくなって・・・
「乗らなければよかった」と私は後悔して涙をボロボロ流していた。




泣きつかれて眠ってしまった私は通信していた仲間の声で起こされる。

だけど私が交流していた時に比べて彼らの仲間はかなり減っていた。

10人以上いた人数はたった3人になっていた。
白人女性と黒人男性のカップルと日本人男性のみ。

聞けば、地球の人間はお互いの殺し合いをずっとずっと繰り返した結果。
残ったのは、ほんの小人数になってしまったという。


それでもまだ殺し合いは止まらず日々、生死をかけて暮らしているのだそう。


私はとにかく残してきた大切なパートナーを呼びたいという話を彼らにした。
すると迎えにいく乗り物を私を下ろしたあと送ったので少しあとになるけど来るはずだといってくれた。

心配が少しはれた。まだ着くまでは心は晴れないけれど・・・

それからは私を含め彼ら4人で地下室のようなアジトで暮らした。

小さいけど4つ部屋があった。
毎日、銃や武器を装備して破裂した水道管や泉から水をくんできたり
もう店員のいないスーパーの倉庫から食料を調達してきたり山や野原で食べれるものを探した。

少しづつだけど植物も育ち始めていた。

アジトの周りは幸い紛争は随分へったそうで仲間の表情も明るく
トランプをしたり、色々なゲームをしたりカップルがいちゃつくのをからかったりして過ごした。

そんな生活をしてるうちに私は日本人の男性と仲良くなっていった。


ある朝、君が帰ってきた。
そうテレパシーで私を呼ぶのだ、間違いない。

アジトを飛び出すと・・・存在は君だとわかるんだけど・・・
白人の大きな青年が立っていた。


「もしかして・・・貴方は・・・」

「うん。そうだよ、おかしいかな?この姿でないとここにこれなかったからね」


「どんな姿でも君であることに変わらないよ!」
「あいたかったー!」

大きな君の胸で鼻水をすすりながらなきじゃくった。

そんな二人の姿を後ろから見ていたメンバーが
ヒューヒューとか
「お暑いねーお二人さん!」とか声をかけてきた。

みんなに君を紹介した。

君はみんなと握手しながら笑顔で挨拶していた。


「僕を歓迎してもらえてありがたいけどいいのかな?」

君はそういった。

みんなは「いいにきまってるさ!」口々にいった。

そうだ彼の部屋はどうする?とカップルの女性がニヤニヤして
聞いてきた。

君は「僕は廊下でじゅうぶんだから・・・」そういったけど

「二人は一緒なのがふつうじゃない?向こうでいつも一緒だったんだから!」黒人の男性がいった。

私も「そうだよ、私達は前からずっと一緒にいたじゃない」

そう答えると君は日本人男性の様子を気にしていた様子だった。

私は「向こうにいたまんま来たから顔とか服とかドロドロのまんまだよ?」
「綺麗な泉があるからそこで身体と服あらいなよね?」と言って泉を案内した。

そこで君の水浴びの後姿を見ていた。

綺麗なブロンドのサラサラ髪の毛で瞳の色は猫の時のまんまグリーンだった。

そして君はやっぱり人間になっても細くなくマッチョだったから少しおかしかった。

クスクス笑う声に振り返る君。


「はっ!ごめんあんまり綺麗な姿だから見つめちゃった。 あはは、なんか・・・おかしいね?」

「もうお風呂には一緒にはいれないね」って照れながら君にいった。

その時、無言でギュッっとしてくれたのはすごく嬉しかったよ。

二人でアジトに戻ると私の部屋に君のベットの用意がしてあった。

君の枕カバーに私の名前が君の字で書かれていた。

「寝るときいつも貴女がおやすみって言ってくれてたの思い出してね」
「いなくなってから寝る前に毎日文字勉強したんだ」そう照れながら君はいった。

人間になっても君の存在が本当に愛しかった。
心が温かくなった。

私が身体を洗いに行ってる間にどうやら君は日本人男性と話をしていたんだよね。

二人の様子が明らかにちょっとおかしかった。

その日、日本人の男性から好きだと私は告白された。
私は彼に好意があったけど君も大切だし悩んでいたんだ。

だけど翌日の朝おきると部屋に君の気配がないのでおかしいなと部屋を見回すと君の荷物がなくなっていた。

荷物といっても生活に最低必要なものだけ。リュック一つで十分だった。君は猫だから荷物なんて今着てる服しかなかった。

私は必死に部屋を飛び出し追いかけようとしていたら日本人の男性に手を掴まれて止められた。

「あいつは自分で、でていくと決めたんだよ」

「そんなのやだ、ひとりで暮らしていけないよ。私が彼を人間にしてしまったんだもの!」

手を振り払った。がむしゃらに走ると君の背中が光る朝日と一緒に見えてきた。

「いかないで!!おいていかないでよ!」

叫びながら涙でぐしゃぐしゃになり走って走ってようやく君にやっと追いついた。

まるで君が光ってるように朝日がブロンドの髪と 綺麗なグリーンの瞳を照らした。

君に飛びついて泣きながら
「もうこの手をもう離さないからね」そういうと・・・

もう一度君は私を抱きしめてギュッとしてくれた。

「僕はね猫だから君のそばにいられたんだよ・・・意味わかるだろ?だから、もうこの手を離して」

「イヤだ!イヤだ!この手を離したら二度と逢えないの知ってるんだもん。」

「じゃあ、貴女は人間同士の意味で僕のこと愛してると言えるかい?」

「今は君がすごく大好きで一緒にいたいだけじゃダメなの?」

もう涙が止まらなくて泣いていると君は無言で抱きしめてくれた。

そうしている間に君の体はどんどん輝きを増していき 光に包まれて二人その中に吸い込まれた。





そして目を覚ますと元の部屋に私と君は元の姿で寝ていました。



もう君のテレパシーは届かないよ。

もう君は私を抱きしめるほど大きくはないよ。

だけど、ずっとお互い幸せに毎日暮らせるんだよね。


君の優しい瞳に話しかけた。

「愛してるよずっと誰よりも一番愛してる。」

君は嬉しそうに「にゃあん」と答えてスキップするように
私の元にやってきた。






私のアリスの冒険はこれでおしまい。

私のこころの砂漠に咲いた。
とても小さくて可愛らしい花それが君だった。

たとえ涙がこぼれても思わぬところに芽がでるよ。
そんな言葉を思い出した。

こころの砂漠に涙の雨が沢山の降ったあとに芽が出たんだよね。
今はかけがいのない存在となって花となった。

花の命は短いけれど大切に見守り続けるよ。
それを幸せだと思ってる。

言葉は通じなくとも側にいれる。
エメラルドの瞳が輝く君と共に・・・