『My First HEROII』4 | 木村春翔のブログ小説『My First HERO』

木村春翔のブログ小説『My First HERO』

「My First HERO」は自叙伝小説

人生とはわからないものである。

My First HEROII-4-

森山君の一人暮らし先に転がり込んで数日、梅子の精神状態は安定していた。
もともと誰もが通過する反抗期をこの年齢でしたというだけのことだった。
それを両親に病気扱いされたことが梅子には許せなかった。

しかし、時は年末、例年だったら梅子は実家や親戚と過ごす。
当然のことながら、母親から電話がかかってきた。
「結婚前最後の年末年始なんだから帰ってきなさい。それが大人としてのけじめだし当たり前のこと。」
梅子は耳をふさぎたくなった。
「良い子」でいるのはもうごめんだった。
しかしながら母親に対する恐怖心もある。
「それから、梅子の部屋に一人暮らし先から引き払った荷物が大量にあるの。森山君と二人でいいから片付けに来てね。」
「…はい。」
梅子は恐怖心に勝てなかった。