木村春翔のブログ小説『My First HERO』

木村春翔のブログ小説『My First HERO』

「My First HERO」は自叙伝小説

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Second OPINION

「私なんかでできますかね?」
梅子が思った瞬間、出た言葉がそれだった。
ーーーやりたいとできるは違う。
周りの人の仕事の様子を見て常々感じていた。
フルの仕事に興味もあれば、やりたい気持ちも少しあった。
が、子育てに家事に、フルの仕事にとなった時両立できるか、気力、体力に自信がなかった。
森山くんの負担も気にかかる。

もっとも、親であれば誰もが少しは不安に思う部分である。

「大丈夫。森山さんよく頑張ってくれてるし、周りのこともよくわかってくれてるし。どうですか?」
上司は穏やかに、でも必要なところは強く、強弱のバランスがとれた人だ。
梅子は少し下を見た。
見た、というよりは下を向いただけで視覚は認識してない。
「ーーやりたい気持ちはありますが、昔から精神障害があるので続けられるか自信がないです。」
嘘をつけなかった。