クラス替えで同じクラスになった時から
ずっと彼が気になっていた。

ちょっとした仕草や
話す声のトーン、
笑う時にちょっと見える白い歯・・・

彼のことを知る度に彼を好きになる。


何かしら理由をつけて彼に話しかけていた。
委員会のこと。
行事のこと。
試験範囲のこと。

彼は優しかった。

そして私はどんどん彼を好きになる。

もっと彼と一緒にいたい。
もっと彼のことを知りたい。

私の彼への思いは溢れそうになっていた。

夏休み前に私は思い切って彼に思いを告げてみた。


「ずっと好きだったの。よかったら夏祭り一緒に行きたいなーって思ってて・・・」


それだけ言うのが精一杯だった。


彼は最初はビックリしたような顔をしたけど、すぐに目を伏せて微笑んだ。




「夏祭り、一緒に行こうね」

そう言って、私の頭をぽんと軽く触った。











夏祭りへ行く前に

一緒にプールへ行ったり
図書館へ行ったり
プラネタリウムへ行ったり


普通のデートをした。

私たちはカップルになれていた。


大好きな彼がそばにいて
たくさん話をして

私の言葉に彼が反応し
彼の笑顔につられて微笑む


なんてやさしくて幸せな時なのだろう。




夏祭りは浴衣を着ていった。

ちょっとは女の子らしく見えるかな。
ドキドキしていた。


いつもより少し大人っぽく見える彼。


ドキドキしながら並んで歩く。


ドキドキしながら思う。

来年も一緒に夏祭りにこれたらいいな。
再来年も、その次も。


いつまでも彼と一緒にいられたらいいな。


ドキドキしながら星空を見上げた。