思いきって病院へ


不妊専門でも何でもない、

ただの街の総合病院


ここの産婦人科で

娘も息子も出産した


問診票に過去の妊娠回数と分娩回数、

自然分娩か帝王切開か、子供の数と

細かく書かなければならない


妊娠出産は2回、子供の数は1人

と書いた


前に出産した時と、先生が変わっていて

男の先生だった


ちょっとぽっちゃり気味で頭ボサボサで

メガネかけてて見た目オタクっぽい…

(先生なのにすみません)


子供の数が1人となっていたけど、

何も聞かれなかった


先生  「えーっと、不妊治療の相談という事なんですけど、どういったかんじですかね?」


私  「………あの…その……

なかなか妊娠しなくて…」


何を聞かれてもいいように頭で考えてたのに、うまく答えられない


先生  「そう…ですね、そういう事ですよね、分かりました、少しいろいろと聞かせて下さい」


言いづらいのを察してくれたみたいだった


最初に書いた問診票をみながら、

ひとつひとつ質問と返答を繰り返していく


先生  「今は基礎体温などでご自分でタイミングとってらっしゃる?」


私  「はい」


先生  「その(妊活を)始められたのはいつ頃からですか?」


私  「5月くらいからです」


5ヶ月たって妊娠してない

まだ不妊かそうでないかさえ分からない



先生 「基礎体温の記録などはありますか?」


私  「はい」


スマホの基礎体温アプリのグラフをみせた


先生  「あ、そうそうこれが見たかったんです」


先生は私が5ヶ月の間、毎日つけ続けている基礎体温のグラフをみて言った


先生  「高温期と低温期がちゃんと分かれているので、おそらく排卵はしていると思いますね」


高温期はけっこうバラバラで安定していなかったが、先生の目からは「排卵はしている」と認定された


ここで少しホッとする


先生  「では、婦人科の他の病気がないかみたいので、超音波で検査してみましょう」


オタク先生は丁寧で話し方も優しかった

ここまでで私はひとつも傷ついてない


でも、やっぱり内診するのか…そうだよね

そのために来たんだから!


隣の部屋に移動し、看護師から


「ではズボンと下着を脱いで、椅子に座って下さいー」


と指示される


例の椅子に座って椅子が回転しながら開く


そういや、結婚してから旦那以外の男の人にみられるの初めてだな…急に恥ずかしくなってきた


我慢しろー耐えろーと思いながら

カーテンの向こうにいるのはロボットか

何かだ!と言い聞かせる


超音波検査の器具が入って

思わず顔をしかめた


何ともいえない気持ち悪い感触だ…


検査が終わり、先生からの言葉は


先生  「今回の検査では、筋腫などの病気や、大きな異常はみられませんでした」


「ホルモンの検査をしたいので、血液検査を受けて下さい」


私 「あ….はい………」


子宮に大きな異常はなかった


この事だけでも十分、大きな安心だった


先生  「不妊治療についてですが、これからの流れとして、特に異常などがなかったので、人工授精をする事になります


人工受精というのは、精子を採取して、それを培養液で濃縮させて、最良の状態の子宮に戻してあげるという事をします


38歳という年齢を考えると、そんなに悠長にはしていられないので、2回程試してダメなら、体外受精にステップアップ、という形にした方がいいかと思います その時は不妊専門の病院を紹介するので、そちらへ行ってもらう事になります」



思っていたより早く、


「人工授精」「体外受精」


というワードがでた



妊活ブログでたくさんの体験談を読んだが

自分がこちら側になるなんて…


思ってもみなかったな…




先生  「それから、ご主人にも検査を受けるようお勧めします。不妊は、婦人科だけの事かと思われる方が多いのですが、男性にも原因がある事があります。その際は、泌尿器科で検査する事になりますので…」


言葉や言い方に配慮しながら、

最後まで丁寧に説明してくれた


だけど、一度に入ってきた情報量が多くて

少し、ぼんやりとしてしまっていた


先生  「あの…不妊についてなんですけど、原因など、結局のところ、消去法でしかないんですよね、ひとつひとつ検査していくしかないんで…」


私 「あっ、はい…」


先生 「では来週、卵が育っているかみたいので、この辺りに来てください」


とパソコンのカレンダーをさしながら

言った


1週間後のその日に「卵胞チェック」と

先生がパソコンで打ち込んだ


ああ、これが、卵胞チェックというやつか

妊活ブログでよくみた


間違いなく、いい方向へむくように

検査していくんだなぁー


頑張る、と決めたなら、もうこの流れに

そっていくしかない、ただそれだけだ




とても勇気のいる不妊治療の第一歩



息子の事がなかったら

ここにたどり着いてはいなかった


もっと若かったらなぁ…

考えてもしょうがない


高齢妊活は変わらない事実


その日のためにどれだけの事が

できるか、ダメだったとしても

ちゃんと納得できるなら別にいい




この日のお会計は9000円程だった

初診だけで5500円取られるからね


お金がかかる事、も

覚悟しておかなければならない