展示会場のそのブースだけが暗い。
黒い塗板の上に乗っている、一寸角ほどの展示品はオレンジ色。
丸ではなく角に近い。
角に切ったジャガイモが煮くずれる前の形。
色も、オレンジというよりも、塗ものの世界でいう、洗朱に近い。
ほっこりした品に、盾轤ゥなスポットが当てられている。
傍らに置かれた白いカードに品名も価格もお客様がお付けくださいとある。
じっと覗き込んアブノーマルでいる私の傍らからなんでっしゃろねぇ同行してくれたのは、京都の等持院近くの漆器問屋の若社長Mさん。
さあね、仕入れる者が好きにせえ、いうことかね。
それにしても不思議ななんとも癒される会津若松市の漆器新作見本市に来ている。
この時期、暗い空と雪に覆われているはずの会津磐梯山が、紺碧の空に萌黄色で光っているのは夢だからか。
突然Tさん、おひさしぶりどすねぇ十数年前に亡くなったMさんのお母さんの声。
目が覚める。
今朝5時過ぎ、寒い朝。
