こちらの作品は私のオリジナル作品です。
他サイトで投稿しているものをこちらで載せています。
盗作では有りません。
ポケクリとこちら以外で見かけた方は御一報下さい。
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「………だんな?」
夕蘭は、真上に見える私の姿に、首をかしげながらそう呼ぶ
なんとも、可愛らしい姿だ
苦笑しながら、私は夕蘭の髪を擦る
「まだ夜更けだ
寝ていた方がいい」
「…………よふけ?
あちき………いつの間に寝てし………」
夕蘭は、身体をお越しながら、頭を支え考え込む素振りをするが、途中でへんに言葉を止めてしまう
「…………蘭?」
私は、起きた状態で固まった夕蘭を不思議に思い、声をかける
しかし、夕蘭は、私の声にハッとすると、なんでもないと首をふり、そっぽを向いてしまう
私は、そんな様子を見て、別に問い質すこともなく、側に置いてあった上っ張りを、静かに身体に乗せる
「…………何か言いたいことあるんなら、遠慮せずに言ったらいいだろ?」
私は、あぐらをかきながら言う
だが、夕蘭は、そっぽをむいたまま、無言になる
「…………蘭」
私は、じっと、夕蘭を見つめる
そして、ふと、思ったのだ………
以前、最初に会った頃より
身体が小さくなっている事に………………
「…………蘭、最近、ちゃんと飯は食っているのか?」
「…………それは、旦那でしゃろ………」
夕蘭は、力なく言い放つ
「それはそうだが………」
そう言われてしまっては、新ノ口がでない
だが、明らかに、夕蘭は少し身体が一回り小さくなってはいる
ここ数日だけで、そんなに落ちることはないだろう
私だって、最近、なんとなく身体が軽くなったような感じがしてきたと思うようになったばかりだ
だとすると、考えられる事は…
澄舞さんが亡くなった日から余り食してなかった?
厭な予感ばかりが、頭をよぎる
いつも、夕蘭は、茶碗半分ほどと同じぐらいの味噌汁、その他のおかずは、小さく盛られていて
そんなものなのかと、共に食して思っていたのだが…………
本来からそんなに少ない量ではなかったのではないかと、思い始めてしまう
普段、女中頭の公美が給仕の仕事は管理している
夕蘭の食事の変化は彼女が気付きやすいのだが
私の事もあってさほど気にする余裕もなかったのかもしれない…………