こちらの作品は私のオリジナル作品です。
他サイトで投稿しているものをこちらで載せています。
盗作では有りません。
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「……………何をしとったんやね?」


「………………」

「………………」


伊里早に問われ、その場にいた全員が口をつぐむ


漸く落ち着いた夕蘭を、寝屋に寝かせ、伊里早は直ぐに若旦那を呼び付けた



しかし、呼び付けた若旦那はいなく、代わりに番頭の榊原と、女中のお公美がすっとんできた


そして、若旦那不在の代わりに、自分らがお話を受けますと申し出たのだ



しかし、伊里早は、側近達に話した所でどうにかなる問題ではないと叱咤し、若旦那を連れ戻す為の使いをやり、こうなった経緯を問い質す今に至っていた



「口を貝のように閉ざしとっても、一向にようならんで?


逆に、俺の怒りが上がっていくだけや


早ようこうなった経緯を話さんかい…………俺は気ぃ短いで?」


伊里早は、低い声と、睨みを聞かせて静かに言い放つ


その様子に、ビクリと肩を震わせるが、女中のお公美がゆっくり口を開いた


「……………私の責任です」

「………責任うんぬんやない

あんた頭悪いんか?

なんで夕蘭が取り乱したかって理由を聞いてるんや


責任なんぞを問い質してほしいんやったら、今はどこぞへ行っとる役にたたん若増に解いたらええ」


抑揚のない声でそう言い放つ


しかし、それには榊原が反応した

「役にたたんはあんまりなお言葉です

若旦那は、人一倍努力なさっておいでのお方


今回は諸事情の為居りませんが、先ほどの言葉を撤回していただきたい」


榊原は、静かに且つ強い口調で言い放つ


だが、伊里早は睨みを強くするだけで、それには答えずに、お公美を振り替える

「夕蘭はな?ちょっとやちょっとで感情を表にはださん娘やの

だがな?今のあの娘は、大切な人がこの世を去ったことに、未だ納得しとらんのや


その納得しとらん間に、ここへ身請けされてきよった


情緒不安定な状態で、今まで切り盛りしとったんやで?
そのあの娘に、あんたは何をいいなさった?



包み隠さず

正直に全部話さんかい?

そこな、番頭もや


自分、何かしら言うたことあるんやろ?」


頬杖をつきながら、話を促す


大声で怒鳴り込まない所が、なんとも末恐ろしい雰囲気だ


お公美は、青い顔をしながら、最近の近状を報告しつつ、さっきまでのやり取りを説明する


所々、榊原も割り込み、自分が話した事、旦那の心情を全て話した

「……………なんや


悪いんは、結局は若旦那やないか」


「伊里早様っ、それは……」


榊原は、慌てて口を開くが、伊里早は片手を上げて制止する