こちらの作品は私のオリジナル作品です。
他サイトで投稿しているものをこちらで載せています。
盗作では有りません。
ポケクリとこちら以外で見かけた方は御一報下さい。



仮面を外した時ぐらいは、ゆっくりしたいもの


ついついつんけになってしまうのは、仕方ないだろうに……………

はぁ~………とため息をつく


その様子に、お公美さんは困ったような顔でこちらをみてるけどゆっくり口を開く


「……………おかしくて笑っていたわけではないのですが……………余りにも若女将が、小さな子供に見えてしまって」

「子供?」


急な発言に渋い顔になってしまう

子供は酷くないだろうか………


「あちきは子供やあらしまへん…………」


渋い顔のまま、静かに言い返す


「そうでしょうか。私には、拗ねた子供のような感じがしてなりませんよ」


「拗ねた子供?
あちきの何処が拗ねてはるんでしゃろ…………」


だんだん、お公美という人間が嫌いになってきそうだ


一体何が言いたいのかわからない

「…………子供は、喧嘩をすると、どう接したらいいのかわからなくて、癇癪起こしたり、無口になったり閉じこもったりします



若女将は、どちらかと言えば、無口に入りますかね?
応えても簡潔にすまそうとする」

お公美さんは、真っすぐな瞳を、こちらに向けて話す

先ほどとは違い、雰囲気が堅く感じるのは気のせいか…………



「…若女将は……こちらにお嫁ぎになってからずっと、若旦那に対して…………怒っておいででしたね?


若旦那だけではなく、大旦那にも……………」


「……………………」


私は無言になる


なぜそこまで分かるのだろう



確信の着いた言葉に、私は無言になってしまつた

やはり、このお公美と言う女子はあなどれん




「………すみません…余計な事とは思ってはおります


若女将がそこまで怒りを顕にするのは、何かしら理由があるからだということも、何となく想像出来てます



しかし、今は…………」

何も言わなくなった私に、困惑した表情をとる

そして戸惑ったかのように一旦言葉を途切り、次の言葉を力強く発した


「今だけは、その怒りを治めて
若旦那と真っ正面から向き合ってくださいまし」



お公美さんは、先ほどの困惑した表情を払い去り、きりっとした表情で私を見る


だが、私はそれどころではない



怒りを治める?


それは、澄舞の姐さんを…………忘れろと?


私は、その言葉を聞いて、完璧に何かが切れてしまった


「……………わ」


「…………はい?」



「あちきにはできんですわっ!」

「!!!」



怒鳴り声に、お公美さんはビクリと身体を震わす