こちらの作品は私のオリジナル作品です。
他サイトで投稿しているものをこちらで載せています。
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それから、せっかく来たのだから、夕蘭の姐女朗の線香あげにと、旦那に教えられた長い廊下を、何人かの他の旦那方に挨拶しながら進んでいた時だった



「…………なぁ、夕蘭
一つ聞いてもええか?」


夕蘭の名前に、ピクリと体を震わせ、足を止める


どうやら、この廊下の突き当たりの所にいるらしく、私はそのまま柱の影に身を寄せた


「…………無理してへんか?」

「………女将はん?」

「…あんたが、澄舞の代わりに身請けされて………確かにこの赤潮の問題は無くなった

そやけど…………あんたを犠牲にして無くなった問題にはかわりあらへん

………頼んでおいて、勝手やけど…………無理してるんやったら………離縁しんしゃい」





旦那と同じ事を、言っており、私はドキッと胸を高鳴らす





私は、夕蘭を好いているから離縁は断ると言えたが…………



夕蘭にはその理由がない


相手の言葉に、夕蘭が同意してしまえば、私の意志など関係なく、離縁状がよこされてしまうであろうと…………思っていた



「………どないしなすったん?
気の強い女将さんにしては、らしくない言葉でありんす」


「………澄舞が死んだ事で、条件をどう乗り越えていくか、そればっかり考えて…………あんたに、とんでもない頼みをしてしもた…………
時間が経つにつれて…………
まだ16歳のお前に…………なんと重い頼みをしてしもたんか………と、悔いて悔いて仕方ないんや…………」



話の内容から相手は確実にここの女将


余程、夕蘭のことを心配しているんだと言うことが伺える


本当の娘でないにしろ、女朗といった特殊な身分にいる彼女が、主人たちにここまで愛されているとわかり、やはりこの赤潮は他とは違うのだと、改めて実感した


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