この作品は、私のオリジナル作品です。
ポケクリにて連載中の小説をここに載せています。盗作ではありませんが、こことポケクリ以外で見かけた方は御一報ください。








「…………実は、今日大旦那が時間を見てこちらに来ると言っていたので…………ちと話し合おうかと悩んどったのです」


「…………話し?」


私は、首を傾げながら問う


「はい…………


そちらとの婚姻の契りを………白紙に戻してくれないかということです」



「………………っ、白紙?

何故ですか?私が何か不都合な事をいたしましたか?」



私は、焦った


まだ、夕蘭と夫婦らしき生活などしていないに等しい


これから、ゆっくり夕蘭と打ち解けられるように、頑張って行こうと決心していたのに……………


「いいえ

若旦那は、悪くないです


ただ、わしら、ここを守る為にだけに、あの子を利用したこと

今更ながらに後悔しとるんですわ

馬鹿なことして、あの子を苦しめて

挙げ句、なんの関係もない若旦那にまでつらい想いをさせて


この婚姻は、みんながみんな、幸せに迎えた婚姻ではなかった


だったら、そんな婚姻自体を取り消しにしたらええんですわ


まぁ、婚姻の儀は終わってしまいましたから、形としては離縁する事となりますが……………」


「私はいやです」


「……………若旦那?」


旦那の言葉を遮る形で私は言葉を放つ


突然かかった声に目を見開き、旦那がこちらを見てくる