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「………形ばかりの夫婦?
どういうことですか?」


榊原は、険しい表情をしながら問う

まるで知らないとでもいうように……………

「どういうこと?

あんたら下のもんには言うてないんか?」


私は、力強く腕を捕まれ、苦痛に顔を歪めながら聞き返した


「なんのことです
女将さんたちは、お互い納得して結ばれたんではないのですか?」

「何を言うとんの?

婚儀が2日に迫っていた時に、身請けの話が舞い込んできたんぇ?
納得しとらんでも、納得せないきまへんやろ

それに、


この身請けうけんと、赤潮は助からんかったしな?」


「…………」


榊原は、唖然とする


「………それは、大旦那様が

嫁に来なかったら何かをすると脅したんですか?」


「脅す?おどしならまだよかったでやんしたな。そんなん痛くもかゆくもあらしまへん

生憎強制やのうて、あちきらは、旦那の条件に縋ったまで

大旦那は、身請け受けるんなら、赤潮も一緒に身請けしてくれはる言うてくれたんですわ


まだ赤潮には、仮身請けに出せない子供らがおりんす


あちきらが仮身請けされた金は、節約しても直ぐに底をついてしまう


養うだけの財力が無くなりかけていやんした


そこにそんな話がきたら、どないなことしはっても受けないかんと思うんは仕方あらしませんか?


あちきらは仮身請けで食い扶持はありんすが、赤潮の子供らは、赤潮がなくなったらまた他に売られてしまう

それでも弱いもんはみんな、死ぬしかあらしまへん

それを避ける為に、あちきらはここに来やんした」


早口に言い放つ


榊原は、ゆっくり掴んでいた腕を話すと、信じられない顔でこちらを見てくる


「……話はわかりました……あなたが身請けされたくて来たわけではなく、仕方なくきたと言う事……しかし…だから、形ばかりの夫婦と言いたいのですか?

あなたは、赤潮を守るためにここに来ただけで、若にはなんの気持ちもないと…………」


「…………そうです」



榊原は、先程と違って、力なく問いてくる


随分起伏の激しい男だ