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本当は、金次郎が言っていたように、私も一緒に、夕蘭が慕っていた女朗の49日へ向かうはずだった

いや、向かおうと決めていたのだが…………


夕蘭は、激しくそれを拒んだのだ

『…………若旦那は、店の仕事をなさっていてくんし………49日には、うち一人でいきます。

嫁になったと言うても、別に血縁者やないんで、若旦那まで来る必要はあらしまへん。


今日は大事な取り引きがあったではしまへんか?


こちらより、そちらを優先するんが当たり前と思います』



番頭の榊原に、全ては任せてあるから大丈夫と伝えても、夕蘭が首を縦に振ることはなかった



それで仕方なく、私は残る事になったのだ


納得が行かないことが災いして、金次郎にやはりあたっていたのかもしれない


「…………金次郎には、悪い事をしたな」


ポツリと呟くと、榊原はふっと笑い、口をゆっくり開く

「今回は仕方ありませんよ。はっきりとした理由も分からずに、店に残れと強制されりゃ、子供どなくとも苛ついてしまう。


それに、まだ旦那はいいほうですよ。」




「………いいほう?」


「はい、日頃より奥様にそういった態度されていたのに、当たる事はしていなかった。


きっと心の限界だったんでしょう?それに、たまたま金次郎が当たり厄を受けたまでです。気にする事はありません」


にっこり笑いながら言われるが、こっちとしては些か気分が悪い為苦笑するしかない



「…………焦らずいきましょう。奥様も、嫁いで来られてからまだ日も浅い

見ず知らずの男の所に来たわけですから、警戒しているのかもしれないですね?


相手がなかなか開かないなら、常に旦那が開けた態度で接する事です。そうすれば、少しづつ、奥様も近づいてくるでしょう。


まぁ、今回みたいなことが何度もあるのは困るので、行き詰まった時は、私に相談してください。」

腕を組ながら、優しい口調でそう言われ、なんとなく見方が出来て、気持ちがいくらかスッキリとした




焦らず行ってみよう



いつか、私にも、夕蘭と呼べるくらいに、親しくなれたら……………



そう思わずにはいられない………………