お話を伺い、中井元日本助産師会兵庫県支部長の聞き取りを加え、先生ご自身の手記「戦中戦後の開業の思い出」を抜粋し、資料も検索しながら、先生の人生をまとめさせていただきました。

    強い意志と好奇心を持ちながら、定めも受け入れていく。抵抗できない時代の流れの中で、大正、昭和、平成を生き抜かれた稲垣先生には畏敬の念しかありません。


    先生が開業された頃の地域の写真がないかと、伊丹の博物館へ行ったときのことです。学芸員の方から、何をお探しですかと問われ、稲野村役場跡に稲垣助産院を建てられた70年前のその周辺の写真が欲しいと答えると、何と、村役場の正確な位置はわかっていないと言われるではありませんか。

    先生から伺った通り、村役場が焼失し、資材置き場になって民間に貸し出されたことまではご存知でしたが、その後場所すらわからなくなっていたようです。

    先生は、博物館を超える時代の証言者なのだと感嘆いたしました。

    来る次の時代も、健やかに、穏やかに過ごされることを心より願っています。






追記


 稲垣先生は、令和6年4月2日に102歳9ヶ月6日の人生を終えられました。

 心よりご冥福をお祈り申しあげます。


先生、いつもいつも

      本当にありがとうございました!