内容証明を送ってから、数日後。
返事が来た。
差出人は――
不倫相手本人ではなく、
弁護士。
ああ、そう来たか。
正直、そう思った。
そして、その内容はこうだった。
「依頼者は誠実に対応する意思があり、話し合いによる解決を望んでおります」
「現在、事実関係を精査中のため、追って回答いたします」
「なお、依頼者およびその親族、勤務先への接触は固くお断りいたします。」
……テンプレみたいな文章。
でも、最後の一文。
“接触は固くお断りいたします”
その一言に、強い違和感を覚えた。
誠実に対応する意思があると言いながら、
誰にも知られないようにしたい、という意思はしっかり伝わってくる。
こっちは、
何十年も築いてきた家庭を壊されてる。
義母がどれだけの時間を費やして、
どれだけ我慢してきたか。
それを知っていてもなお、
こういう文章を平然と送ってくる。
正直、腹が立った。
「誰にも言うなってか?」
そんな気持ちが頭をよぎる。
でも――
ここで感情的になっても意味はない。
相手は弁護士を立ててきた。
つまり、
ここからは完全に“戦い”になる。
こちらも、準備はできている。
証拠もある。
あとは――
どう出るか。
つづく。