今回から、undoのアルバム「SPY」の解説をしていきます。

私MUWがライターのインタビューに答えるという体で掲載します。

――undoとしては初のアルバムですが、

これまでの制作過程について教えてください。

MUW(以下M)　

それまでやっていたユニット・RISMYを2009年に解体して、

直後に新ユニットとしてundoを構想しました。

手元にある制作メモによると・・・

2011年夏頃から少しずつ曲出しをして、

ボーカルの愛琉とレコ―ディングのリハを始めています。

2012年に「マミマミ」「ルフラン」のキー合わせをしていますね。

その後も曲を作りながら、断続的にレコ―ディングをして。

すべてのレコ―ディングが終わったのが2018年5月。

それからアレンジやミックスをして、

最終のマスタリングが終わったのが2019年10月でした。

――2011年に始めて2019年に完成・・・構想8年ということですね。

M　いや、そんな大そうなものじゃないです(苦笑)。

本当はもっと早く完成させるつもりだったんですよ。

本業が忙しくなったり、引っ越しがあったりして、

そのたびに中断していたので、こんなにかかってしまって・・・。

――制作中に何かトラブルはありましたか？

M　最大のトラブルは、2016年にシーケンサーの

ローランドMC-50が故障したことです。

普通に曲は打ち込めるんだけど、ディスクドライブが壊れて

曲データをセーブできない状態になったんですよ。

メーカーに聞いたら「修理も不可能」と言われてしまい。

それで、曲作りの段取りを根本から変えることになりました。

――どういう風に変えたのですか？

M　それまではMC-50でフルコーラスアレンジして、

ハードディスクレコーダー・VS-1680に仕込んでいましたが、

それを「1コーラスのみMC-50上でアレンジしてVSに仕込み、

VS上でフルコーラスを組む」というやり方にしました。

最初に「スカイハイ」で実践しました。

1.MC-50にて打ち込み(メロ、オルガン、ベース、ピアノ、ドラム)、

2.VSへ仕込む(ドラムループ、オルガン、ベース、ピアノ)

3.VS上でフルコーラスを組み立てる

4.ボーカル録音

5.ストリングス、サックスなど追加仕込み

6.MIX、マスタリング

　以上の作業をして、MC-50上のデータは消去してしまうという。

――あ、保存しないで消去するんですね。

M　セーブできませんからね。とりあえず「このやり方で進めよう」と。

そしたら、偶然アマゾンでMC-50Ⅱを見つけたんですよ。

結局それを購入しました。MC、好きなんですよね(笑)。

――MC-50のデータは、MC-50Ⅱでロードできたんですね。

M　できました。なので、MC-50Ⅱを使って制作を再開しました。

ただ「ニューオーダー」「SPY」の2曲はMC-50上のデータが

消えてしまっていたので、また一から打ち込み直しました。

――打ち込み直すのは大変ですね。

M　でも1回データを作っている曲なので、意外と早かったですよ。

「ニューオーダー」は、大体1時間で音の仕込みが終了。

「SPY」も一から打ち込み始め、

3時間ほどでアレンジと仕込みが終わりました。

あと「ル・ポレン」も、MC50データはあるものの不完全だったので、

再度打ち込み直しました。

つづく

※楽曲視聴は下記をクリック。

アルバム「SPY」

undoアルバム「SPY」解説 第1回

undoアルバム「SPY」解説　第1回