さて前回、人体実験をしてしまってお客さんに健康被害者が出てしまった聖父くんですが、
 
 
聖父くん
「俺はな、勉強してる!」
 
 
まさか、ググって得た得体の知れないブログやTwitterなどのSNSでお勉強しているつもりになってませんか?
 
聖父くん
「ち、違います!」
 
 
こんな看護師さんの国試対策用のアンチョコでお勉強してるんでは?
 
聖父くん
「やってない。」
 
聖父くん
「成書やったら、ジョスリン読むわ。」
「そのうち・・・」
 
どうしてSNSやアンチョコで勉強してはいけないかわかったかな?
専門家が責任を持って正確な情報を記述したものと違うからだよ。
国試前に洋土社の何かを読んでもええけど、もちろん記憶の整理目的以外に使うことはおすすめしないし、勉強は成書を読んでね
成書に日本語の本が少ないだって?
自然科学分野に関連した仕事をするんでしょ?ましてや聖父くんはダイエット講師やったけ?人様の健康を扱うつもりでしょ?
だったら日本語にこだわらずに代表的な成書は読みなさいね。
これはその分野に携わる者としての責任です。
 
 
聖父くん
「ほな、高エビデンスやったらええんやろー!」
「DeepLやら使えば論文なんて読めるわ。」
 
 
 
 
そうかな?
 
 
 
じゃあ、話題の「コロナとイベルメクチン」、これ読んでみてエビデンスの図に当てはめてみて!
 
 
 
 
 
聖父くん
「あれ?」
「ガイドライン以外全ての段階で揃ってる?」
「もしかして、イベルメクチンはコロナに有効なのにどこかの陰謀で無かったことにされている?」
 
 
 
 
違います!
 
グクった場合、"イベルメクチンがコロナに有効"と思って調べたら、そんな記事や論文が沢山ヒットしますよね。
 
さらにフラットアースが正しいと思ってググれば、その証拠が出てきます。
 
 
 
これが何を示すか?
 
 
地球は平坦で、
イベルメクチンはコロナに有効である!
ではないんですよ。
 
 
pubmedもGoogle検索と同様に、
 
自分が正しいと思った事柄について、それを支持する記事や論文だけを取ってこれるということです。
自分に都合良いものしか見ないようにできるということです。
反対意見はアーアーキコエナイできる。
 
 
 
cnsだって論文記述の作法に従って書かれているということを担保するだけで、書かれている内容が正しいとは限りません。
 
古いけど、高IFな雑誌でも論文は撤回されているよという記事。
 
要は真実であると示す論文がなんぼあったとしても、それを非専門家では判断できないということです。
論文とは懐疑的に読むものであって文字通りに読書するものではないんです。
 
 
 
 

 

非専門家が自分は論文を読み込めていて、新たな視点の提唱もできると勘違いした例
 
三浦瑠麗さん
 
永江一石さんも、コロナ禍でマスク不要論やらいろいろ言うてましたね。

反ニセ医学論者の医師である桑満先生がこの人とTwitter上で仲良くしていて容認(お墨付き)しているのが不思議です。

この人のトンデモはどうして批判しないのか?
 

 

 

 
 
では、どうしたら論文を評価できるようになるか?
 

結論としては、

 
論文を科学の目で懐疑的に読めるようになる為には学士では不十分です。
最低、修士の2年間は必要でしょう。
なお、新しい発見や理論を提唱するにはそこから博士課程へさらに3年以上必要です。
専攻も聖父くんが望む健康分野なら、理学系や医学系です。
建築や情報、経済学を専攻しても専門外の健康分野の論文は読めません。
 

 

 
 
 
 
例えば、ある生命科学系のラボでの修士学生の論文読みのトレーニングですが、

 

最初の6ヶ月
指導教官が1報/週or月にフルペーパーを渡し、グループミーティングで発表させ正確な読解の訓練をする。
まだ自分で論文を選べない。
論文の追試を学ぶ。
 
6ヶ月目から1年
pubmedで検索し、自分で論文を取ってくる訓練。
最初は流行りモノを取ってきても可、可能ならば自分の研究テーマの参考になる最新の論文(ということはまだ評価の定まっていないモノ)を選んで読み込み発表する。
ボスの許可(コストの問題)を得て論文の追試をする。
 
2回生
pubmedで検索し、自分で論文を取ってきて読み込むことが1人でできるようになっている。
論文の追試も安心して見てられる。
必要があれば論文著者とメールでコンタクト取ったり1人でできるようになる。

なお、これで修士号 MS(Master of Science)を取得しても、まだ新しい発見や学説を提唱するには至りません。自分の専門分野に限り、最新の情報を論文を読み取りながら追えるようになったというだけです。

 
 
 
 

この記事はしょーもないバイオインフォマティシャンな内科開業医(M.D., Ph.D. 甲)の監修です。



 

天啓聖母