本日の読売新聞の朝刊の、第一面に大きく書かれていたので、元関係者として書きます。
この問題は、既に30年以上前から叫ばれており、日本のアニメ産業の危機だと言われて来た事柄です。
状況は更に悪化しており、まともな戦力になるアニメーターは、現在40代の後半から上の世代になります。
何故、こんな事になってしまったか?
それは、アニメの会社の経営に対する無知を利用されまくった結果、美味しい所だけ吸い上げられてしまう構図が出来上がってしまった事による物です。
一番言われているのが、国産第一号の鉄腕アトムを虫プロが作る際に、他社が真似出来ない様に、極端に安い制作費で始めた事が未だに尾を引いていると言われています。
手塚治虫は、自分の原稿料からスタッフに賃金を払い、アニメをビジネスにする事をあまり考えていなかったようです。テレビアニメが乱立する様になると、外注スタッフが増えて、ダンピング合戦が始まりました。
仕事を安く受ける事で、多くを取ろうと考えたのです。
しかし、人間の能力には限界があります。毎週放送されるアニメを作るには、国内だけでは間に合わず、韓国や台湾に下請けに出すようになりました。しかし、質の方はハッキリ言って使い物にならず、形にするだけで精一杯。後から地獄のような手直し(リテイク)をしなければならないのです。
現在は、中国の下請けが日本のアニメを支えていると言っても良い状況です。
主に、原画の下請けは韓国に。動画、仕上げの下請けは中国に出すと言うパターンが多くなっています。
そのスピードは、脅威的です。極端な話ですが、その日に放送される作品の動画仕上げをその日の早朝に中国電送して、夕方迄に色がついた物を電送で送り返して貰い、撮影してラッシュフィルムに差し替えて、予め音を作っておいた物と一緒にして、放送の数時間前に納品すると言う事もあるのです。
当然、何処かしらに問題が残っており、放送終了後手直し作業に入ります。
即ち、初回放送版は二度と陽の目を見る事は無いのです。ビデオとして出された作品は、完成版として手直しが入ったバージョンとして差し替えられているのです。
こんな状況で作られているので、国内のアニメーターは、少ない仕事と、膨大な手直しに回されて、育ちにくくなっているのが現状です。
日本のアニメが最高と騒いでいますが、中国や韓国が無ければ、テレビシリーズは放送日に放送出来ないのが現状です。
年収110万なんて賃金は世界の何処を探してもありません。
下請けの韓国や中国はレートの違いで、もっと裕福な暮らしをしているのです。
それを補う為に、CGで処理する事が増えて来ました。益々、国内が育たなくなってしまっているのです。
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