　今年最後の日記は、蝶の仲間の総集編にします...

...偏西風の乱れによって平年に比べ最高気温の高い日が多かった今年は、１２月に入っても暖かい日が続いた影響で、年末には観ることの出来ない蝶を多く目にすることが出来ました。例えば...

...ツマグロヒョウモン（写真はメス）。翅は流石に傷ついてはいましたが、本来なら、なかなか１２月には目にすることの出来ない蝶です。そして...

...ヤマトシジミ（写真はオス）。この蝶も、１２月には目にする機会が減る蝶です。

　１２月に入っても気温が高い日には飛来したヒメアカタテハ（＊：例年ならば１２月には目にすることの無い蝶です。）に...

...通年観ることの出来るウラナミシジミ（写真はメス）

　ただし、我庭においてモンシロチョウを目にしたのは...

...残念ながら、１１月中旬まででした（写真はメス）。

　続いて蛾の仲間を紹介します。心華やぐ蝶の仲間は比較的人気があるところではありますが、擬態に興味関心を抱いてる私は、どちらかと言いますと蛾類に惹かれています。

　例えば...

...地面に紛れたニセアカマエアツバ（ヤガ科）などどうでしょう？気に止めさえしなければその存在に気付けないこういった蛾類に魅力を感じます。

　地球色（茶色＋緑色）の一色、木々の茶色に紛れ身を守るシロオビノメイガの白帯の意味にも惹かれます。そして...

...苔類に身を置き紛れるウスミドリナミシャクの翅色、翅模様の意義を想い...

...一端、飛翔し静止するシーンを目にしなければとてもではなくその存在に気付けない、ヒイラギの花に紛れたマエアカスカシノメイガが花蜜を舐めとる瞬間を目にした高揚感は、他の誰でもない私だけの感覚であり至福の時です。加えて心揺さぶられるのが...

...書店での「虫に関する名著」との偶然の出会いです。写真は「蝶はささやく：鱗翅目とその虜になった人びとの知られざる物語：ウエンデイ・ウィリアムズ著：的場知之訳」で、タイトルを目にした瞬間のインスピレーションで購入した書物です。

　蝶にまつわる過去・現在・未来に渡る三部作構成で、海外の科学者が（蝶の魅力に取りつかれ疑問を解き明かそうと努力されるその姿勢）に惹き付けられました。（＊：もちろん、蝶：特にオオカバマダラの生態に関する記述など多様です。）

　そのなかでも特に私の心に残った科学者が、チャールズ・ダーウインよりさかのぼること２００年、虫（特にイモムシ）の不思議の解明にとりつかれた稀代の才媛マリア・シビラ・メーリアン（ドイツ・フランクフルト・アム・マイン生まれ）でした。

　何故なら、彼女の生き様はまさに「虫は専門家・科学者・男性だけのものではない。」の証明そのものであり、女性である私の気持ちをいたく沸き立たせ惹き付けたからです。

　蝶の生態の謎の解明およびそれに携わる方々の紹介のなかに記された本文中のある一節「科学はけっして（完了）しない。ヒトの好奇心が尽きないかぎり。」に、高校時代恩師の「...そのなかに一節でも心に残る言葉があれば、その本は大切であり貴重なものである。」との言葉が甦りました...

（...となれば、当然この「蝶はささやく」は手放すことの出来ぬ本となる。）

　人生において、こういった著書との出会いも幸運以外の何ものでもないのではないでしょうか？

「...増税によって、手持ちのお小遣いは大幅に減少してしまいましたので、とてもではありませんが贅沢など出来ません。ですが私は、読書は人生に欠かすことの出来ぬ大切な時間だと想ってますので、来年もまた、機会があれば素敵な出会いを求めて書店めぐりを行いたいと想ってます。」

　そしてもう一つの習慣である...

...栞造りを続け、虫を見付けるたびに、種名が気になるたびに、書物のなかに気になる一節が見付かるたびに、その栞を挟んで行こうと想ってます。

「来年も、見付けた虫に沸き立ち、皆様と繋がって行けたらと願っております。どうぞ、宜しくお願い申し上げます...」

来年に向けて...