帰国しました。Back to Japan now.
お久しぶりです。シーズン2と言いますか、第2回目のNYC長期滞在も大充実。今回も最後にカナダのモントリオールに行ってきました。
前回も12月に訪れているこの町はシルクドソレイユの本拠地であり、友達が参加している公演「VOLTA」の完成版を見に来ました!前回は本社内でのトレーニングやクリエーションを断片的に見せていただき、奥の深さに感動したものです。
日本人パフォーマーも多数!
ダブルダッチ(2重縄跳び)
Yabiさん
Masaさん
Tomokoさん
Ryoさん
Junさん
BMX(自転車くるくるするやつ)
Takaさん
もう、前半だけでギャン泣き。人間味あふれるストーリーと演出、パフォーマーの緻密でダイナミックな動きに心を持っていかれます。
後半はもう、うへぇ〜!な山場の連続です^ ^ 超絶おすすめ! 日本には2018年5月に行くかも!?!? だそうです。
1日2公演と言う過酷なスケジュール。お昼の公演を終えたばかり、化粧のままの日本人クルーの皆さんと合流し、2回目の公演を裏から見せていただきました。
緊張感はほどほどに、リラックスムードな舞台裏は何度もショーをこなしてきた面々の貫禄にさえ見えます。
数日前にBMXの1名が舞台上で大怪我をしたこともあって、五人でやる演目を四人でやっているそうです。それでももちろん迫力は大満足。こういった事態も全て想定して訓練しているのですから、beatboxがショーをするためには一人で乗り組むことはできません。
僕には仲間が必要だと改めて感じました。
僕は日本での10年の活動の中でMad4thと言う素晴らしいグループに入っていたわけですが、やはり彼らのような技術と才能あるチームは他になく、これからの時代にマッチしていると思います。なおさら今活動していないのが悔やまれます。
beatboxはショービズにやはり乗り込むべきです。
今回はモントリールを始めて春に観光し、その美しさに惚れ直しました。古いフランス風の町並み、優しい陽射しのテラス席に会話を弾ませる人々。ノートルダム大聖堂では[AURA]と言うプロジェクションマッピングをやっており、これも大感動。歴史的文化遺産を守るために最先端のショーでちゃんとお金を作るわけです。これ以上理にかなったことはないなと思います。
日本にもこんな動きはあると思いますが、降り切り方が思いっきりなんです。いくらお金をかけたかわからないくらい、ちゃんと感動できるレベルでショーを作っている現場を見ると、日本のはなんとなく思い切りが足りない。それは随所に現れます。シルクでも、ブロードウェーでも、本編が始まる前にぐーっと気持ちを引き込まれて、心が見る準備が充分にできてから始まるのです。
beatboxの演出にもこれは言えます。ショービズに近づくためには一つエピック(壮大)な空気作りが欠かせません。
映画音楽を中心に作品を作っていたMad4thはまさに正解だったと思います。
あんなチームをもう一度やりたい。僕は知っている、世界に通用する人たちを。なぁ〜もったいない。
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ショービズと言えば、今回はオーディションから始まって本当に長い戦いになったApolloのアマチュアナイト。準決勝という位置付けのTOP DOGで敗退となりましたが、やはりこれは力不足でした。ですが、何よりも現地では「2回も勝ったの?すごいじゃん」っていう重要な実績。僕自身も大きく自信を取り戻しました。そして負けてはしまいましたが、まだ挑戦できる機会はあると思うので、挑み続けます。
応援に来てくれた人、メッセージをくれた人、本当にありがとうございます!!!!
ちょっとだけ振り返り。
まずは第一回戦
続いて2回戦(SHOW OFF)初のバンド共演
バンドが間違えて入ってきます。が、これも僕の説明力不足です。
そして準決勝(TOP DOG)をご覧ください。
前回と同じようにバンドが早く入ってきてしまいます。僕の指示能力が足りなかったのが原因です。
ご覧になってわかる通り、その完成と成熟度が歓声に比例していると思います。ラウンドが上がるにつれ成熟度が落ちていますので、当然練習不足が露呈してしまいます。
初回は日本での活動でやってきたことを3分に圧縮しただけで、ものすごく濃ゆい内容です。充分に練習されており、どこでどんな内容で人が感動するのかわかってるかのようです。
2回戦は僕が始めてApolloを見たときのインスピレーションを落とし込んだものです。怪物たちに勝つために僕にしかできないバンド演奏に切り替えるアイディアは昨年のApolloのショーを見ている時にすでに構想が始まっていました。
準決勝は、そういう意味では想定外、ここまで勝ち上がる想像を最初からできていなかったことが表に出ていると思います。
そう最初から全ての想像ができていないとこれに勝ち上がることはできないようです。
必要なのは野心、そして絶対的な練習量、しっかりとあらゆる事態を想定して訓練すること。シルクドソレイユでも同じです。一流のショーはリカバリー能力の高さでもあるはずです。
感動に至る要因はバックグラウンドへの想像力です。「いったいどれだけ大変だったんだろう」。。。
NY地下鉄に入ってくるとどこからともなく聞こえる音、何だろうとその出所を見に行くと人が演奏していてびっくり。今日のインスタの動画ネタにとカメラを向けたつもりが、演奏も素晴らしい。程なく演奏が終わると拍手が起きます。僕はカメラがあるからと演奏を長引かせたりはしませんでした。音楽的に決着する一番気持ちいところでちゃんと止めます。目の前のカメラを持っている人たちは残念そうですが、拍手は向こう岸のホームからも沸き起こります。
誰がどこで聞いているかわかりません。耳を傾けてくれた全ての人に演奏をするのです。
地下鉄のお客さんでもっとも多い質問は「どれだけ練習したのか」と言うバックグラウンドに対するものです。
これは一つ壮大なものです。始めてドラムの真似をした時から18年を経てNYCの地下鉄で演奏しているわけですから。僕にも沢山の経験と実績がある。充分に人に何かを届ける能力を持っていると、僕は自分を信じ始めました。
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さて活動は地下だけではありませんでした。
NYCにもたくさんの日本人がいて、Harlem
Japanese Gospel Choirとセントラルパークで開催されたJapan Dayで共演させていただきました。
指導されているKimikoさんやピアノも担当されているメロディーさんに出会えたことはとっても幸運でした。この後教会でも演奏っせていただき感激^ ^
またご一緒させていただくと思います。
そしてレギュラーメンバーとなったJazz Night at Matt's Grillでの演奏。
1週だけお休みがあったのですが、その時ほど仕事としての重要さを意識してしまいます。
もしこのセッションがなかったら、
もしNYCで路上演奏でお金がもらえなかったら。。。。
僕がやっていることは今の所観光ビザですので「禁止」事項です。
日本に帰っても仕事はありません。
なんて無力なんだ!
モントリールでJAZZ演奏に参加した時に、はるかに心の余裕があることを実感しました。
バンドメンバーに最初に声をかけてこんな会話をしました。
KAZ「beatboxをやっているんだけど、1っ曲やらせてくれないか?」
バンマス「悪けど無理だ。ストレートアヘッドなJAZZをやっているし、ここはHIPHOPの場所じゃない」
KAZ「ああそうさ、俺もJAZZをやっている。俺はHIPHOPに生まれなかった。JAZZに生まれたんだ。NYCでもバンドで演奏している。こんな風に」っとその場でブラシの音をやってみせます。
バンマス「そうか、で、曲は何ができるんだ?」
KAZ「スタンダードなら。わからなくたってついていくさ」
バンマス「ドラムがいたほうがいいんだろ?」
KAZ「ドラムは必要ない。悪いがドラムには座らないでくれ。僕がビートをやる。信じて。この場にふさわしい音楽を一緒にやろう。」
そして彼はドラムの席を譲り、僕にマイクを渡してくれました。
演奏を終え、帰り際にバスの時刻も迫り挨拶はできませんでしたが、「今日はありえないものを見たよ。君ならいつだって歓迎だ」と絶賛してくれました。
この会話の流れにあるように、僕が世界を変えていかなければならないbeatboxのイメージや、それに対して責任を取る覚悟、これから先のビジョンは壮大です。というか、こんな会話をしっかりできて、実行できるほど自分自身の成長を感じました。
今回の滞在は出発前に思ったように、繰り返しの日々に対して新しいフィールドを切り開くこと、弱点のあぶり出しに成功した3ヶ月だったと思います。
日本では純粋に冷却期間として過ごしますが、前回同様、仕事もないので、金銭的には日本にいればいるほど損をしてしまいます。。。全くおかしな話です^ ^
東京には約2週間、その後は九州福岡と大分にて温泉にしっかり浸かってきたいと思います。
次回出発は7月上旬を予定。ビザの日数計算をし直して再度ご報告させていただきます!!
これからもみなさんの応援よろしくお願いします!!!