舞台はイタリア・フィレンツェへ

　本やドラマの世界は説明が多いため、その世界へ入ることは難しいだろう。しかし、音楽であれば自分が主人公にもなることが出来る。

　今回紹介する楽曲は壮大な物語の最終章に没入できるだろう。

サンタマリアの鐘/作詞：山田ひろし作曲：幸耕平編曲：坂本昌之

最大の紀行楽曲

　この楽曲は「プラハの橋」（チェコ共和国）、「一枚の切符」（チェコ共和国→フランス）に続くヨーロッパ三部作の完結編となっている。

プラハの橋/作詞：山田ひろし作曲：幸耕平編曲：坂本昌之

一枚の切符/作詞：山田ひろし作曲：幸耕平編曲：坂本昌之

　過去にもこのような、所謂”紀行楽曲”はある。一番有名なものはプロデューサー・酒井政利による「時間よ止まれ」（イースター島）、「いい日旅立ち」（日本）、「魅せられて」（エーゲ海）、「異邦人」（シルクロード）だろう。

　しかし、4部作と言っても広告代理店がCM用に考えられた組み合わせであり、後付けのタイトルでもある。対して、「サンタマリアの鐘」はイタリア・フィレンツェが舞台であることが前提としてあり、1作・2作との繋がりがある。

　そのため、リスナーをより歌の中の世界へ引き込むことが出来ている。この部分が「最大の紀行楽曲」である所以だろう。

　イタリア・フィレンツェが舞台であるこの楽曲だが、竹島宏自身は現地へ行ったことがないそうだ。そのため、ファッションや写真集で現地を感じ、想像して歌唱していることになる。これがより世界へ引き込むエッセンスとなっている。

　クレージーケンバンドには「ドバイ」と言う楽曲があるが、これも”行ったことがない”ところから想像で制作された楽曲だ。しかし、どことなく”ドバイ感”が感じられる。

　リスナー側が全員現地へ旅行したことがあるわけではないだろう。だからこそ、「フィレンツェってこんな場所か」と理解できれば良い。そのために、想像＝フィーリングで歌唱することでより、リスナー側の想像が膨らませることが出来ているのだろう。

　全2作に続く男と女の恋の行方が歌詞には書かれているわけだが、少し悲しい部分もある中で聴いていると幸せに包まれる。この幸せが感じられるのは、竹島宏の歌唱表現が深いからだろう。「今しか出せない味わいが歌に出てきたのではないか」と話しているが、正にこの楽曲では感じられる。

　筆者は、キャッチな振りが印象的な「恋町カウンター」が竹島宏を知ったキッカケだったが、あれから5年経ち、今までにない大人なテイストが確立したように感じられた。

　この確立したテイストを今後どのように荷造りして、どんな舞台へ旅経つのか楽しみになってくる。

　MUSIC LIFEが提供する話題の中心にもある「NHK紅白歌合戦出場歌手＆曲目予想」を今年も行います。

　昨年同様、「NHK紅白予想調査」も行い、予想に反映させます。

　実施方法は昨年同様でありますが、大変わがままなことだと思いますが、回答は以下の凡例に従って頂けるとこちらの集計が行いやすくなります。

　調査フォームは「Google Forms」と「Microsoft Forms」の2種類（内容は同じ）を利用しております。

　皆様の「推しの魅力」などもどうぞお書きください。

　皆様のご協力の程、よろしくお願いいたします。

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