ある日、母から思ってもいなかった一言を言われた・・・・


『ばぁちゃん覚悟しとかなあかんみたいやで』


うそやろ?
確かに今の状態はイイ状態ではないけど【死】が近いなんか思える訳がない・・・
覚悟なんかできひんかった。
今のばぁちゃんの、体の状態が悪くなってる原因も分からへん状況で
【死の覚悟】なんてあやかには出来ひんかった。


それでも今の自分に出来る事は、毎日ばぁちゃんのお見舞いに行く事やった。
あやか等の声や言ってる事が伝わってるかなんか分からへんケド
ただただ、手を握って安心させてあげる事しか出来なかった。

そんなこんなで2.3日が経ったある日の事。

仕事を終えて歯医者に行ってたら
母からの連絡・・・・

ここ最近家族からの連絡には凄い敏感になっていた。

ばぁちゃんに何かあったのではないか・・・など考えてしまう。

母からの連絡の内容は・・・・・・

『今親戚集まってばぁちゃんの今後について家族会議をしている。
だからあんたも早くじぃさんとこ帰ってきぃ』

思いのほか歯医者が終わるのが遅く、母に電話をしてみた。




あ『家族会議って何?』
母『ばぁちゃん今の状態で、酸素マスクしてなんとか自発呼吸できてるけど
  自発呼吸が出来ひんくなったときに人口呼吸機をつけるのかって話』

いわゆる、


延命治療をするのか、しないのか・・・・・・

言葉を失った。

母『皆で話しあって今出てる答えは、延命治療はしんとこう!ってなってるねん。
  ばぁちゃん今まで、辛い思いして頑張ってきたのにもうゆっくりさせてあげよ!
  時の流れと、ばぁちゃん自身の生命力と気力にかけよ!』

皆の言い分もよく分かっているつもりやのに
なんでなん?
と思ってしまった。

あ『とりあえず、まだ面会の時間あるからばぁちゃんとこ先行ってくる』

それしか言えなかった。

ばぁちゃんの病院に向かうまで、車の中で一人泣きながらさっき母と電話した事を考えていた。


病院につくと叔父と叔母がきていた。
ばぁちゃんもしっかり息をしていた。

自分の気持ちが張り裂けそうで、こらえてた涙がボロボロと出てしまった。
ばぁちゃんの手を握って、暖かさを感じながら
しかっり動いている心臓をじーと眺めた。

お願いやからこの心臓止まらんといて・・・・・

そう願いながら病院を出て帰宅した。

その日は、夜の仕事に入って居た為
出勤時間を遅らせてもらって出勤。

バイト先の女の子には何人かに状況報告はしていた。
皆に気を使わせてしまった。
やっぱりまともに仕事も手に付かなかったから3時間も経たないうちに
帰宅させてもらう事にした。

疲れていたのか、帰ってすぐ寝てしまった。


3時15分頃・・・・・・
母が部屋に上がってきた。

母『ばぁちゃんの息が止まるかもしれない』

急いで病院にかけつけると
じぃちゃんがばぁちゃんの手をしっかり握ってボロボロと泣いている。
親戚も皆きていた。

間に合わなかった。誰一人ばぁちゃんの最後には間に合わなかった。

じぃちゃんが

『迷惑ばっかかけてすまんかったな・・・』

とばぁちゃんに話かける。




あやかのばぁちゃん。皆のばぁちゃん。④につづく・・・・