『RAY』以降、彼らの楽曲スタイルで”光”の側面を担う曲だ。効果的な電子音をガイドにして、人間の強さと弱さの歌詞表現を美しく彩る。ポジティブな感情に寄り添うように、ベース・ラインが流れていく。
”からっぽ”という歌詞から、あの『ロストマン』の歌詞を想起させる。あれから脈々と流れてきた今、藤原基央自身もまた、ひとりの”ファイター”だったのだ。そして、当然貴方も誰かを守るファイターだし、そうなるべきなのだと、訴えかけている。心の中に”空白”を抱えている君でさえ。
名曲『ゼロ』で、誰かの為の灯台になることを歌詞にした藤原基央、バンドが始まった当初から一貫したテーマであったが、明確な言葉にした以降、音楽シーンの中でバンプの一曲々が、きれいごと無しに、誰万人を照らすための楽曲としての意味合いを強めてきたと言える。もちろんそれは、作曲者として、自信の裏打ちでもあるだろう。ロックやポップにこだわらずとも、曲は独り歩きしていく。それを気にしない地点にもう来ているのだろう。彼らの曲はそれ位、揺れ動かざる標が刻まれている。
バンプは、もう次のフェーズに入っているのだ。