さて。

もう時効は過ぎたと思うので今日は先月まで働いてたシルバー屋で出会った変な客の話でも。


話は去年の2月までさかのぼります。
その頃の僕はペーペーもいいとこ、一通りの仕事はできてもまだどこかぎこちなく、クレーム、DQN客の対処なんてとんでもない!という感じでした。

そんなある日、金髪・刈り上げオカッパ・花柄のヘアピンという、可哀相な装備のオッサンが店の前を通り過ぎていきました。

その時は先輩と「変な人、ププッ」で終わっていたのですが、なんとそのオッサン、ウチの店にリターンしてくるではないですか。

そして店に入るなり僕の元に。
ヤヴァイ、笑ってた事に気付かれたか?


オッサン「十字架のネックレスって無い??」


どうやら先輩と笑っていたことには気付いていなかったようです。
しかしこのオッサン、青ヒゲといいアンガールズ的なガリ痩せ具合といい、近くで見るとより一層キモイな…。

と、思いつつも「お客様」なのであれもこれもと商品を並べて、しっかり接客。

…したのがマズかったのか、いろいろと自分語りを始める。


「僕はね、宝石が好きで色々探しているんだけど、今まで買ったどの石も恋人の様に思っているんだよ」
「僕は今年で38になったんだけど、未だに結婚どころか恋人すら居ない。女性にモテたくて色々な宝飾品を身につけているんだけどね(笑)」

そしてついには、
「君も色々アクセサリーを付けてるね、その指輪はガーネットかい?ちょっと見せて欲しいな」
と、僕の手を握ろうとしてくる始末。

僕はオッサンの手を振り払い、

「これはピンクトルマリンとピンクサファイヤです。

宝石好きだと仰る割にさほどお詳しくはないのですねヲホホホ」

などと反撃してみたが、私はもう夕方の休憩に行かねばならんのだ。
近くでOさん(当時の店長代理)が時計を指差して苛立った顔をしてるのだ!
…っていうか急かす余裕があるなら助けてくれOさん!!


そんな僕の気持ちを余所に、

「君は宇宙(コスモ)の力を信じるかい?宇宙(コスモ)っていうのはね…」
と、尚も自分語りを止めないオッサン。
何が小宇宙(コスモ)だ。貴様はどこの黄金聖闘士(ゴールドセイント)だよ。

そしてオッサンの小宇宙(コスモ)講座は30分で終了。ひとしきり語り終えたオッサンはすごい爽やかな笑顔(あくまで当社比)で、
「いろいろオハナシできて楽しかったよ。また来るからね」
と言い残し、去っていきました。

その後の15分休憩の間じゅう、僕の意識は宇宙(コスモ)までトんでました。
そして儚くもいとおしい休憩時間・終了。


十字架のネックレスはどうなったのか?
宝石を恋人の様に思っているのにモテたいから宝石を身につけているとはどういう事なのか??
っていうかモテたいなら宝石集めるよりキチンと身なりを整えてそのきもちわるいオーラを消す事から始めた方が賢明だと思うのだが如何なものか!
そもそも「楽しかったよ、また来るからね」って…。
ここはキャバクラじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!!!

などなど、様々な疑問が残りますが、続きは次回の日記で。

涙も出ないような虚しい話をしよう。

例えば君と紡いだ赤い糸の頼りなさ、

君と描いた未来の幼さ、

君と語った夢の儚さ、

君と過ごした時間の薄さ、

見つめる瞳と、重ねた肌の冷たさ、


君に逢う日を待ち侘びて待ち侘びて、伸ばした髪を切り落とす鋏の鋭さ。


氷柱の様に尖った君の言葉が僕の胸を突き刺した。

そこから溢れた想いは今日のこの雨の様に、

心に咲いた淡い花を残酷に散らし、コンクリートに沁みていく。

残るのはただ、傷跡だけ。





いっちばん最初の日記がこんなにダウナーで良いのか。

まぁいいや。

初めまして、清丸です。

長年の関係にピリオドを打った(むしろ打たれた)ばかりで、今日はこんなにもしょんぼりしていますが、

次回からは多分暴走気味です。

そうやってまた恥の上塗り。

何卒宜しくお願い致します。