西加奈子「ふくわらい」


西加奈子

西加奈子の著作は、ずっと読んでみたいと思いつつ
どれが良いのかな、と迷っていたのですが、
タイトルとジャケにいまいちピンと来なかったものの、
第一回河合隼雄物語賞!ということと、選評を上橋菜穂子筆、でこれに決定。

結果、とってもおもしろかった!
ちょっとエキセントリックと思われるような主人公の設定が、
日常から連れだしてくれる、という読書の醍醐味を思い出させてくれました。

この、定、という名前の主人公は、色々妙な癖はあるけれど
考えている事は至極まともと感じ、なぜか共感して、一緒に歩いている感じでした。
早く先が読みたかったので、仕事の移動時間に、20分位カフェで時間をとって読み進めた(笑)
そして短編ラバーの私としては、この短さはありがたかった。

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初めての作家を読むときは、結構緊張します。

その時の自分のコンディションで、
本当は面白い作家かもしれないけれど、よくなかったり、
その逆もあるかも、しれないので。

私には合わなかった、と一度思ってしまうと、
信頼できる誰かに勧められない限り、
(それは作家の選評だったりしますが)
数年くらいは手を出さないので、
本当は出会うはずだったのに、うまく出会えない作品があるのかも。

と思うと、緊張。。。
今回は良い出会いでした。
次は「通天閣」いってみます。短そうだから!(笑)