「地震が起きたとき、もしドアが歪んで開かなくなったら…」「大切な家族が家具の下敷きになってしまったら…」

そんな最悪の事態を想定したとき、真っ先に備えておくべき救助工具が「バール」です。しかし、重すぎるものや短すぎるものを選んでしまうと、いざという時に役に立たないこともあります。


結論からお伝えします。一般家庭の防災用バールは、女性や高齢者でも扱いやすい「600mm〜750mmの長さ」で、なおかつ「軽量で高強度な炭素鋼や中空構造」のものを選ぶのが正解です。

この記事では、防災バールの重要性と、一般家庭におすすめの厳選モデルをご紹介します。



なぜ防災に「バール」が必要なのか?

地震大国といわれる日本。近年、耐震住宅が増えているとはいえ、古い木造家屋や重い家具の転倒による被害はゼロではありません。救助隊が到着するまでの「空白の時間」に、自分たちの手で救助活動を行えるかどうかが、命の分かれ目になります。


1. 歪んだドアの開放

地震の揺れで家の枠組みが歪むと、玄関ドアや窓が全く開かなくなることがあります。バールの「テコの原理」を使えば、わずかな隙間からこじ開けることが可能です。


2. 下敷きになった家族の救出

倒れたタンスや本棚、崩れた壁。人の力だけでは持ち上がらない重量物も、適切な長さのバールがあれば、小さな力で持ち上げ、隙間を作ることができます。

3. 瓦礫の撤去や障害物の移動

避難経路を塞ぐ瓦礫をどかしたり、釘が飛び出している板を処理したりと、バールは救助以外にも多用途に活躍します。


💡豆知識:テコの原理の計算

バールを使って物を持ち上げる際、作用点から支点、支点から力点の比率が重要です。長すぎると室内での取り回しが悪くなるため注意が必要です。


失敗しない防災バールの選び方 3つのポイント

ホームセンターに行くと、安価なものから高価なものまで並んでいますが、以下の3点を基準に選んでください。

チェック項目 推奨される仕様
長さ 600mm〜900mm(家の中なら600-750がベスト)
重量 1.5kg〜2.5kg(片手で持ち運べる重さ)
形状 平バール(隙間に入れやすい薄型)

① 長さは「救助能力」に直結する

短すぎるバール(300mm程度)は、釘抜きには適していますが、家具を持ち上げるには力不足です。逆に1000mmを超えるものは、狭い廊下や室内で振り回すことが困難です。一般家庭では、750mm前後が最もバランスが良いとされています。


② 「重さ」と「強度」のバランス

昔ながらの鉄製バールは非常に重く、女性が避難時に持ち出すのは大変です。最近では、中が空洞になっている「パイプバール」や、航空機素材のような「特殊合金」で作られた軽量かつ高強度なモデルが人気です。


③ 視認性の高いカラーを選ぶ

停電時の暗闇で使うことを想定し、オレンジやイエロー、シルバーなどの目立つ色のバールがおすすめです。黒色は暗闇で見失いやすく、避難時には不向きです。


【厳選】防災用におすすめのバール5選

1. バクマ工業「ちょーかるバール」750mm

圧倒的な軽さでプロからも支持される名作!

名前の通り「超軽い」のが特徴。特殊な中空構造(パイプ構造)を採用しており、従来のバールより約30%も軽量化されています。女性でも片手で扱えるのに、強度は抜群です。


2. 土牛産業

救助用に特化した滑りにくいデザイン!

濡れた手や軍手をしていても滑りにくいのが特徴。現場作業で培われた信頼のブランド「DOGYU」の製品です。


3. モクバ印「平バール」900mm

これぞ定番!頑丈さとパワーを求めるなら。

「平バール」は、先端が薄く平らになっているため、歪んだドアの隙間に差し込みやすいのがメリット。900mmサイズなら、かなり重い家具も少ない力で浮かせることができます。


4. 浅香工業「金象印 パイプテコ」

長年愛される信頼の老舗ブランド。

視認性の良いイエローカラーが多く、まさに防災用にぴったり。頑丈な鋼管を使用しており、テコ作業に特化した設計になっています。


5. 高儀「EARTH MAN 六角バール」

コストパフォーマンス重視ならこちら。

「まずは手頃な価格で揃えたい」という方におすすめ。リーズナブルですが、十分な強度があり、一家に一本置いておくと安心感が違います。



バールを保管する場所はどこが良い?

バールは「いざという時にすぐ手に取れる場所」に置くのが鉄則です。

  • 玄関の隅: 避難時に必ず通る場所であり、ドアが開かない時にすぐ使える。
  • 寝室のベッド横: 就寝時に地震が起きた際、閉じ込めを防止するために必要。
  • 屋外物置: 家が倒壊して外から救助する場合に役立つ。

理想は、「家の中に一本、外(物置など)に一本」の計二本備蓄です。


まとめ:1本のバールが家族の命を守る

防災セットの中に非常食や水を入れている方は多いですが、救助工具まで揃えている方はまだ少数派です。

しかし、阪神・淡路大震災や東日本大震災の教訓から、「近隣住民による救助活動」がいかに重要かが証明されています。その時、素手では限界がありますが、バールが一本あれば救える命があります。

ぜひ、この機会にあなたのご家庭にぴったりの一本を選んでみてください。


この記事を読んだあなたへの次のステップ:

まずは、自宅の家具の重さをチェックして、どのくらいの長さのバールが必要かイメージしてみませんか?

もしサイズ選びに迷ったら、一番人気の「750mm・軽量タイプ」をチェックしてみてくださいね!