おっちゃん無料サイトで『キッチン』を見たらしいねん。「1時間50分くらいかかっただろうか、これも結構長い作品だった」言うてはるわ。
 監督・脚本が森田芳光はんで、原作は吉本ばななはんの短編小説(集)『キッチン』やねんな。
 これは「私がこの世の中で一番落着く場所は台所(キッチン)である」いうコンセプトで書かれている小説集いうことやん。おっちゃんは吉本ばななはんの小説は一行も読んだことがないらしいけどうちは一応少しだけやけど読んでるもんな。今はお父さんの吉本隆明はんよりも作家と漫画家の二人の娘はんたちの方が有名やもん。時代は変わってんねん。ばななはんは次女で、長女は漫画家のハルノ宵子はんです。

 おっちゃんは元々この監督には信頼感というものがあったいうんやけど、原作者のばななはんには何かしら距離感いうものを抱きつつ(何の先入観も持たずにかどうか)この映画を見始めたらしい。
 「結論から言うと私にはこの映画が非常に面白かった」言うてる。「主要な登場人物たちがゲイやら依怙地な娘たちであったから、いったいこの結末はどこに収束するのだろうかと心配しながら見ていたが、結局最後はお定まりのコースに落着いて、ややがっかりもしたし一安心もした」といったところらしい。結末がもう一捻りしてあったら、おっちゃんは大満足していただろう言うてます。
 それはありきたりの、普通の「恋愛もの」に仕上げないと(お金も暇もある若い人たちを呼べへんから)興行収入に影響して来るいうことやん?
 原作はバブル最盛期、映画はバブル下降期の作品やいうことらしいです。

 「キッチン」予告編 (1989年)要クリック。