喫煙と糖尿病の関係について、2007年に詳細な疫学研究の

分析(対象論文25、調査人数1200万人)が発表されました。


その結果によりますと、喫煙者は非喫煙者よりも2型糖尿病の

罹患率が1.6倍高い
そうです。

(2型糖尿病とは、血糖値を下げるインシュリンの効果が減少し、

血糖値を正常にコントロールできなくなった病気です)


さらに、喫煙量と罹患率には正の相関があり、特に

ヘビースモーカーでは罹患率がさらに高いと報告されています。

喫煙のストレスが、血糖値のコントロールにまで負担をかけてしまうんですね。




喫煙によって呼吸器が損傷を受けます。

すると、呼吸器官のバリアが壊れますので、

各種の感染症を発生するリスクが高まります。



喫煙は、インフルエンザなどへの感染症

リスクを何倍も増加させます。

喫煙者は呼吸器を傷害するため肺結核の危険も

高くなります。

結核は、過去の病気と思われていますが、

今でも全人類の3分の1が感染している大変

重大な疾患なのです。

小児では、喫煙環境と中耳炎と関係する

ことがわかっています。


喫煙者は非喫煙者と比べて、肺炎球菌感染症のリスクが

2~4倍高くなります。

さらに、感染した場合重症化しやすい傾向が明らかになっています。



ヒトの気道粘膜では、細胞が粘液を分泌し線毛を運動させる

ことで異物を排出する役割を果たしています。

しかし、喫煙によってこれらの細胞が破壊されたり、機能が低下し、

病原菌の排出機能が低下すると考えられています。


喫煙によって、呼吸器官のバリア機能が破壊される

さまざまな病原菌が侵入しやすくなるんですね

喫煙によって高まる循環器系の疾患には、脳卒中


虚血性心疾患などがあります。


タバコの煙に含まれる活性酸素は、血管を形成している

血管内皮細胞を傷つけます。


その結果、傷ついた血管部分は厚く硬くなり、動脈硬化が

促進されます。

そして、狭心症、心筋梗塞、脳血栓 、脳塞栓、動脈硬化、

動脈瘤、閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)など血管に

関連する病気のリスクが増加することが統計的に示されています。


血圧症治療に用いられる薬の降圧効果を減らしてしまう作用が

ありますので、薬の効き目が悪くなります。