ゆるキャラの創作話

ゆるキャラの創作話

主に野々市市のゆるキャラ『のっティ』の創作話を書いていきます。

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どうしても話がつなげられなくて、もう少し時間下さい。

あと、前の2回消します。

林家の毎日の夜のひと時はのっティのお父さんとの会話に費やされることになりました。

たとえばこんな感じです。


「のっティの体の色が赤く変わったのですが、なにか治療法はありませんか?」

(なに・・・赤くなったか・・・それは成長の証だ・・・熱が出たろう・・・いわゆる幼児から少年になったのだ・・・)

「おなかと背中は変わらないのですが、そういったものなのですか?」

(一部だけ・・・?・・・おかしいな・・・全体が赤くなるはずだが・・・)

(まぁ、元気ならばいい・・・いつかきっと迎えに行ける・・・その時まで・・・)



(のっティは・・・いつも何を食べて・・・いるのかな・・・)

「私たちと同じものを食べてもらっていますが、こちらに来てキウイフルーツがとても好きになったようですよ」

(きういふるーつ・・・なんだそれは・・・)

「あのねー、甘くてすっぱくておいしいんだよー。初めて食べたときびっくりしたよー」

(そうか・・・のっティよかったな・・・おなか壊さないようにな・・・)

「あと、ヤーコンってのがあって、さくさくしてるよ。お芋だってー」

(そうか・・・さくさくか・・・本当によかった・・・政親さん・・・のっティを預かってくれたのが・・・あなたでよかった・・・)


のっティのお父さんはいつも最後はのっティのことを心配そうに通信を終えます。

いつも時間が短いのは、あちらの世界で戦争状態にあるらしく、お父さんはなにやら軍隊に従わされているなか仲間の協力を得てこっそりと通信しているためのようでした。

原理は政親お父さんにもわかりませんでしたが、少なくともこちらの世界と近いながらも違う発展をしていて、こちらではできないことも出来るようです。


なので、のっティが元の世界に戻るにはまだまだ時間がかかりそうです。

その時までのっティは少しやんちゃになってきた高明君や優しいいずみお母さん、どっかりとして頼りがいのある政親お父さんがいる林さんちで暮らしていくことでしょう。




     。。。。第一部 おわり。。。。。

翌朝。

目覚めるとのっティは銀色の物体を探します。

ありました。しかし、やっぱりなんの反応もないので、昨日のことは夢だったのかな?とわからなくなってしまいました。


「のっティ、起きたの?」


高明君がドアを開けて聞いてきました。


「あ、高明くん。おはのっティ!あのねー」


そういって昨日あったことを話しましたが、高明君にはちょっと伝わりませんでした。


「のっティー、ぼくにはよくわかんないから、お父さんにお話してみて・・・」


申し訳なさそうに高明君はいって、とりあえずのっティを立たせました。

のっティもしょぼんとした顔をしてましたが、政親お父さんに話すことにしました。


「政親お父さん、あのね」


そういってのっティは政親お父さんに話しました。

さすがに政親お父さんは関心を示して、その日は出来る限り早く帰ってきて、のっティと共にのっティのお父さんからの声を待つことを約束しました。



そして夜。昨日と同じくらいの時間。

のっティと政親お父さんは銀色の物体からの声を聞くことになります。


(のっティ・・・のっティ・・・いるかい・・・)

「おとーさん。ぼくはいるよー。それでね、今日は政親お父さんも一緒にいるの」

(そうか・・・みなさん・・・のっティを助けてくれてありがとう・・・きっとどうしてそこにいるのか気になっているでしょう・・・簡単ですがお話します・・・)


のっティのお父さんは、政親お父さんにのっティを送ることになった訳を話しました。


(・・・というわけで・・・のっティを自分から離すことにしたのです・・・)


のっティはその時のことを思い出して泣き始めました。


(のっティ・・・泣かないでおくれ・・・ああ、今日も時間が来てしまった・・・また明日・・・今度はこちらから質問させていただきたい・・・)

「わかりましたよ、お父さん。また明日もこの時間に。私からもいくつか質問があるので、いつかお答えください」

(ああ・・・のっティ・・・泣かないでおくれ・・・・・・・・・)


銀色の物体は沈黙しました。



夕方になりのっティの熱も少し熱いかな?という程度にまで下がり、高明君もいずみお母さんも政親お父さんも安心しました。

この頃になるとのっティの意識もはっきりして、高明君としりとりとかして遊んでいます。


すこしずつ普通の生活に戻っていきました。

夜ご飯はさすがにのっティは少しだけでしたが、翌日からは普通に食べれました。


「おかあさん、おかわりー」

「まぁ、のっティ。 昨日まで熱を出してたのに食べすぎよ。今日はこれぐらいにしておきなさい」

「・・・はぁーい・・・」


ちょっとしょんぼりしながらのっティはごはんを終えました。



まだちょっと怪しいということで、いつもは高明君と一緒に寝るのっティですが、熱が出てからは一人で寝ています。

その日も寝ようとすると、かすかに声が聞こえました。


(・・・私の小さな子・・・今はのっティと呼ばれているのだね・・・のっティ・・・のっティ・・・)

「? だれー?」


のっティはきょろきょろとあたりを見回します。

すると、天井から小さな銀色の物体が降りてきました。


(のっティ・・・お父さんだよ・・・そちらの世界にいけなくてごめんよ・・・声だけしか届ける方法がなかったんだ・・・)

「おとーさん? 本当におとーさんなの? なんで出てきてくれないの?」

(ごめんよ・・・そちらの世界に行くにはちょっと機械が小さすぎるんだ・・・小さい子を送ることができたけど、お父さんには小さいんだ・・・)

「おとーさん。ぼくおとーさんのところに帰りたい・・・気もするけど、いま高明君とお父さんとお母さんと一緒だから寂しくはないよ」

(そうか・・・いい人たちに出会ったんだね・・・声だけ送れるから、明日にでもちゃんと皆さんに挨拶をしておきたい・・・いいかい・・・明日になったらみんなにお話してこの機械を見せるんだよ・・・)

「おとーさん、今日はお話できないの?」

(一日に声が送れる時間が短いんだよ・・・今日はのっティの様子をずっと聞いていたよ・・・だから・・・また・・あ・・・)

「あ、おとーさん!」


のっティは銀色の機械をぺしぺし叩きましたが、もう声は聞こえませんでした。

しばらく眺めていましたが、眺めているうちにいつの間にか寝ていました。


一晩中のっティは高熱にうなされました。

いずみお母さんと政親お父さんは付きっ切りでのっティの体を冷やしていました。

のっティは別の世界のいきものなので、人間の医者にも、もちろん動物の医者にも見せれません。

ただ熱そうにしているのっティを冷やし続けることしかできませんでした。


高明君は夜遅くまで起きていられませんでしたが、翌朝はおきるとすぐにのっティのもとに行きました。


「のっティ、大丈夫?まだお熱なの?」

「高明は心配しないで。ちゃんと学校へ行きなさい」


ちょっとほつれ髪になっているいずみお母さんが、やや疲れた声で言いました。

高明君は心配でしたが、お母さんもお父さんもいるし、学校のお友だちにも会いたいとも思ったので、学校へ行きました。



昼過ぎ、高明君は急いで帰ってきました。

玄関の扉を開けたまま、靴を脱ぐのももどかしくのっティのもとへ駆け寄ります。

のっティの熱はやや下がっていましたが、茶色だった毛がおなかと背中以外は真っ赤になってしまっていました。


「のっティ、赤くなっちゃった・・・」

「不思議ね。熱は少し下がったのに、ここの色は戻らないわ。このままずっと赤いままなのかしら? あ、こら、ドア開けっ放しで! 虫が入ってくるでしょ? 閉めてらっしゃい」


高明君は急いでドアを閉めにいきました。

それまでになにやら小さな虫のようなものが入ってきたことには気が付きませんでした。

小さな虫のようなものはあたりをうかがうように、そっとのっティの寝ている部屋の天井に張り付きました。

そしてそのまま、夜になるまでじっとしていました。


晴れた空の下でみんなはお昼を食べました。

蛇イチゴを食べちゃったのっティはちょっと食欲がなさそうでした。

いつもはもっと食べるはずのキウイフルーツも半分しか食べません。


「のっティどうしちゃったの? おなかいたいの?」


高明君がちょっと心配そうに聞きました。


「わかんない・・・なんだか食べたくない・・・・なんだろ、これ・・・・」

「本当にどうしたのかしらね? いつもは2個ぐらいは食べちゃうのに・・・。もしかして、熱でもあるんじゃないかしら」


いずみお母さんは笑いながらのっティの頭をさわりました。


「あら、なんだかちょっといつもより熱いような・・・。政親さん、ちょっと心配だから早いけど帰りましょ」


いつも一緒にいるいずみお母さんだからこそわかる違いに気づきました。


「それは大変だ! よし、もう片付けるぞ! 高明、手伝って!」

「はい! のっティが病気になっちゃったら病院にいけないから困っちゃうもんね」


高明君も手伝って片付けると、みんなは車に乗り込みます。

そのうちのっティの体がどんどん熱くなっていきます。

政親お父さんは安全に、でも出来るだけ急いで車を走らせます。


やがて家に着くころにはのっティの茶色い毛並みがだんだんと色が変わっていきました。


「きゃー、のっティが~~」


高明君が叫びます。

いずみお母さんは急いで布団を引き、政親お父さんはのっティを持ち上げてそこへ寝かせます。

運ぶ途中、のっティの体温がずいぶんと高くなっていき、政親お父さんもどうすればいいのかあせりました。


とりあえず、いずみお母さんは冷凍庫から氷を出して氷のうを作り、のっティの頭を冷やします。

政親お父さんは再び車を走らせ、冷却シートとパック氷を買いに出ました。

高明君はのっティの枕元に座り込み、「のっティ、死んじゃ駄目~」と泣いています。


のっティはどうなってしまうのでしょうか。

のっティは高明君と追いかけっこからかくれんぼへかわっていきました。

のっティが隠れて高明君が見つけます。

のっティの体が大きいので、すぐに見つかってしまいます。

高明君が隠れるととても上手に隠れて、のっティはなかなか見つけられません。


高明君を探しながらのっティは赤い実を見つけました。

夢でおとーさんが教えてくれた食べられる実に似ている気がします。

のっティはどうしようかちょっと迷いましたが、思い切って食べてしまいました。


「あんまりおいしくない・・・」

「あ、のっティ!そのへんのもの食べちゃ駄目!ぺっしてぺっ!」


隠れながらも様子をうかがっていた高明君が見つけて、叫びました。

しかし、のっティはびっくりしてしまって飲み込んでしまいます。


「大変!お父さーん、お母さーん。のっティがへびいちご食べちゃったー」


高明君は慌てて政親お父さんといずみお母さんのもとへ駆け出しました。

のっティはびっくりして固まっていましたが、高明君を追いかけていきました。


「へびいちごを食べちゃった?大丈夫だよ。へびいちごに毒はないから。毒はないけどおいしくもないんだよ」


政親お父さんは笑いながら教えてくれました。


「ホント? のっティおなかこわさない?」

「どうかしら? でも1個だけでしょ? だったら大丈夫だと思うわ。一応お薬あるけど飲んどく?」

「・・・ぼく、病気になっちゃうの?」

「大丈夫大丈夫」


とてとてとやってきたのっティに、政親お父さんはいいました。



6月になりました。

政親お父さんの大学もちょっと落ち着いたので、政親お父さんはのっティも連れてドライブへ行くことにしました。

普通の車だとちょっとのっティが乗りにくいので、のっティの為にちょっと大きめの車を借りてきました。


「ねー、お父さん、今日はどこへ行くのー?」

「のー?」


高明君とのっティはわくわくしながら聞きます。


「のっティが他の人に見られると騒ぎになるかもしれないから、ちょっと誰もこないようなところへ行こうかと思ってるよ。でも、車で行けるところだから安心してね」


そういって車を走らせます。


やがて街を抜け、田園地帯を抜け、山の中へ入っていきます。

どんどん山の中を走り、やがてキャンプ場へつきました。


「キャンプ場としてはまだオープンしてないからテントを張ったりはできないけど、散策とかは出来るらしいよ。で、ほとんど人は来ないって」


そういって政親お父さんはにこにこしながら車を降ります。

いずみお母さんも、高明君ものっティも車を降り、胸いっぱい空気を吸いました。


「なんだか空気が違うねー」

「ねー」


高明君とのっティは顔を見合わせてくすくす笑います。

そうして高明君が駆け出すと、のっティはそれを追いかけ始めました。


「あんまり遠くに行っちゃ駄目よー」


いずみお母さんがそう声をかけて、車からお弁当を出し始めます。

お父さんは折りたたみイスと机を組み始めてます。


天気も良くて、とてものどかな日でした。

あるとき、お昼寝していたのっティはおとーさんの夢を見ました。

2人で森を散歩して、小鳥のさえずりを聞き、小さな動物が走るのを眺め、おとーさんは「これが食べることができる実だよ。ほら、たべてごらん」そういってのっティに赤い小さな実をくれました。

のっティはそれを受け取ってたべた・・・つもりでしたが、いつまでも口に入りません。

あれ?あれ?って思って目覚めました。


「夢だった・・・おとーさん・・・」


そういってしくしく泣き始めました。


いずみお母さんが気が付いて、どうしたのかたずねました。

のっティはまだ覚えている夢の話をすると、いずみお母さんはやさしくなでてくれました。


「もう少ししたらみんなで森に行きましょうね。お弁当をもって、のっティの大好きなキウイフルーツをもっていきましょうね」


そう慰めるしかありませんでした。

のっティはキウイフルーツを甘酸っぱい味を思い起こして泣き止みました。

きっと高明くんと一緒に森をお散歩すれば楽しいと思いました。


「泣き止んでくれた。よかった。のっティは可愛いんだから泣いちゃ駄目だよ」


にっこりとわらっていずみお母さんは言って、のっティの体をもふもふっとしてくれました。

のっティが林さんちに住むことになり、少しだけ時間が経ちました。

高明君は小学校に行きお友だちが出来始めていましたが、学校から帰ったら宿題をしつつのっティに習ったことを教えています。


いずみお母さんはおうちで家事をこなしています。

のっティはそれをお手伝いします。

洗濯物をたたむのが上手になりました。


政親お父さんは毎朝大学へ行きます。

のっティは大学というのがよくわかりません。

きっと高明君のいく小学校と同じようなものだと思っています。

先生なのだから、高明君をおうちで教えてくれればいつも一緒にいられるのになぁーと思ってます。


いつもおうちにいるので、たまにはお外で思いっきり駆けたいなーとのっティは思いますが、政親おとうさんといずみお母さんが


「のっティがお外に出るとさらわれちゃうかもしれないし、危ないからね。そのうちもっと広い場所へ連れて行ってあげるから我慢してね」


そういってせいぜいおうちの裏にある周囲を囲まれた庭に連れ出してくれるだけです。

それだけがちょっとつまらないな・・・と思っています。


高明君が遊んでくれるし、お母さんがおいしいものを作ってくれるし、とても幸せでした。


でも、ときどきふっとおとーさんのことを考えます。