死にたい盛りの殺人期。
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〔ご無沙汰してます。〕死にたい盛りの殺人期。

「ふぅーっ。ごちそーさん」

空になった皿の上に、乱暴にフォークを投げる青年。

「何で私が・・・・・・」

「あ?知らねェよ。お前がしたことだろ。俺に訊くな。訊くんじゃねぇ」

それはそうだ。でも自分でも解らない。あのまま倒れてるのを放っておけばよかったのだ。その内、優しい誰かが拾ってくれた筈だ。

面倒なことは、したくなかった。

けれど私は、この青年を拾った。

捨て猫を拾ったような感覚で、何を想うこともなく、青年を連れて家まで帰ってきた。

唯、一つだけ、気になっていたことがある。彼がどこか寂しげに云い放った、《人間失格殺人兵器》――。

どういうことなのだろうか。

「お前、料理巧いなー。俺、こんなうめぇの久しぶりだ」

つい10分前までは誰でも作れそうな、至って普通の茸パスタがのっていた白い皿を感心した眼つきで眺めながら云う。

ぱっと見は全然普通の青年にしか見えないが・・・。

「そう?ありがとう。そんなこと云われたの、初めて」

皿をシンクに持って行きながら、私は応えた。

実際、そうだった。そもそも誰かのために料理をするなんてことは今までに一度ともなかった。機会はいくらでもあったのだろうが、あの時はまだ、幼すぎて、そんなことはできなかったのだ。

「ふぅん。なぁ、お前、名前、何つぅの?」

「え?――名前?」

「そう、名前。――あ、そうか。まず俺からだな。飯、食わせてもらったんだし」少し考えるようにし、青年は笑顔で云う。「俺は《時雨》っつーんだ。ガキん時、ずっと一緒だった人に付けてもらったんだぜ

きひひ、と笑い、お前は?と云った時雨。

「私、は・・・・・・」

名前なんて、訊かれることもないし、呼ばれることもない。最後に名を呼ばれたのは、いつだっただろうか。

私は、私の記号としての記号を手繰り、確かな情報を掴み、確信して、一度深呼吸をする。

「私は――《時宮 零霞》。誰が名付けたんだろう・・・・・・分からないけど、これが名前」

「きひひっ。いいな。零って。恰好いいじゃん――零霞」

「―――ぁ」

あぁ、そうだ。忘れていた・・・・・・名前を呼ばれることの、理由を。私は、ここにいるんだ、という、安心を。誰かが、傍にいる、という、幸福を――。

「時雨」

「ん?何?」

「ありがとね」

「は!?何、急にっ。怖っ」

わたわたと不審の眼で焦る時雨を眺めながら、蚊の啼くような声で、ありがとう、と再び云った。

「ねぇ、何で時雨は《人間失格殺人兵器》――なの?」

死にたい盛りの殺人期。

店員がこちらを一瞥もせずにそう叫ぶ。私だってそうだ。店員に一瞥もやらずに店内を歩く。

「・・・・・・何にもないな」

蚊の鳴く様な声で云った。何も買わずにそそくさと出ず、慈悲でアロエヨーグルトをレジへ持っていく。

「138円が一点。138円ですね。ポイントカードをお持ちでしょうかぁ?」

財布の中をじゃらじゃらと漁りながら「いいえ」と応えた。

「袋の方はどうしましょうかぁ?」

・・・・・・この言い方鬱陶しいな。挑発されてる気分だ。おばさんの曲に、コンビニでパートか。

「お願いします」

一瞬、軽く嫌な顔をされたが構うものか。

「環境にと思っているならお前死ね」――とは云わなかった。代わりに「どうも」と云ってやった。

コンビニを出るときには

「ありがとぉございましたぁ」

とだらけきった声が背中をゆるゆると押した。やはり、風は強く、空気は乾いていた。

 

 

 

帰宅途中、人が倒れているのを見つけてしまった。

 

 

 

「ぅわ・・・・・・死んでんの?これ」

俯けで倒れているため、顔は分からないが、恰好は――半袖の上着・・・みたいなのと黒のだぼっとしたズボン、に、同じく黒のブーツと呼ぶには程遠いが名前も知らない。そんな靴。それと――腰に真剣2本。剣士?この時代に?

取り敢えず、突いてみた。びくともしない。

頬を軽く叩いてみた。びくともしない。

鳩尾辺りをローファーの先で思い切り突き上げてみた。

「ぐふぉあ!!!!!!!!!!!!!!」

大きくびくんと跳ね、うぉぉと呻きながら道端をごろごろと転がる青年。

「生きてた」

と私が言い切るより先に、青年は眼にも留まらぬ速さで剣を抜き、私の頸部へと剣先を突きつけた。恐怖はない。

「はぁっ、お前――殺す気かっ!?」

息を荒げてそう言い放つ青年。顔立ちは、かなりヤバそうだ。何がって、そりゃあ――・・・・・・

「死んでると思ったから。あなた、いつの時代の人?腰に剣なんて提げて・・・・・・」

「あ?さぁな。過去の人間かもしれねぇし、未来かもしれねぇ。もしかしたら人間じゃねェかもな。きひひひひ」

変な笑い方・・・・・・。

「何者なの?」

「あぁ?俺か?」あなたしか居ないでしょうが。「そりゃそうだな。俺?俺は・・・・・・・ぅん、そうだな。あいつらに云われてんのは――」

 

「人間失格殺人兵器」

 

「――とでも云っておこうか。きひっ」

《殺人》――《兵器》?人殺し、ってこと?人殺しの兵器?まさか、冗談よ。そう、冗だ・・・・・・

「ぐうぅぅぅぅうぅぅ

「え?」

奇妙な音――何?どこから――

「やべぇ・・・腹減って死ぬ。おぃ、お前、何か、食いも・・・・・・ん」

それだけ云って、青年は再び道端に倒れた。

死にたい盛りの殺人期。

後に喚かれると

至極鬱陶しいので

先に云っておく。

【これ】は自己満足の世界である。

故に

「下手糞ー」だとか「死ねー必要ねー」だとか

云われる筋合い・・・・・・というか

まァそんなもんはない。

一切、ない。

 

よって、【これ】を読んでやろうじゃあねェか、

とかいった変人極まりない方々は

覚悟するとよい。

寿命が縮むと共に

「世界は――広いな」という衝撃的事実を知ることになるだろう。

 

 

 

 

よし。じゃあ管理人のエピソードその他諸々の

不必要この上極まりないものは

あっさりと流した上で

早速逝ってみましょう。Let's go!!!!(半ば無理矢理なんだよな。Let'sって)

 

 

 

 

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苦労して入った訳でもない高校の入学式。・・・・・・だと云うのに私は未だに自宅のソファーの上で寝転んでいる。無意味に制服は着てみた。一体私は何を考えているんだろう。こういう所が嫌いだ。そのもの自体も存在すらも嫌いだ。いっそのこと殺してしまおうかと幾度も思った。幾度も殺した――否、殺そうとした。所詮私はそこまでなのかと思うと更に憎悪が増す。《時宮 零霞》という存在を殺してしまうことに恐怖を感じているのだ。

「・・・・・・死にたい」

嫌に静かな空間に小さく響いたのを耳障りに感じ、布の擦れ合う音もさせずにソファーから半身を起こす。ほとんど何も無いに近い部屋をゆっくりと、流れる雲の如く、見渡した。やっぱり――独り。それでも、独り。別に、哀しく、ない。寂しくも、ない。慣れている。誰もいないのも、誰も私に近づかないのも、総て――・・・。

私はソファーから降り、中身の乏しい財布を持って、部屋を出、廊下を渡り、そして玄関から外へと出た。

「乾いた空気・・・・・・。冬みたい」

風も強かった。少し、肌寒い程度で、わざわざカーディガンを持ってくる程じゃない、気温。

私は特に何も感じることもなく、玄関のドアに鍵を掛け、近くのコンビニへと歩いたのだった。

「いらっしゃいませぇ」