前回までのあらすじ

3つのマイナースケールのダイアトニックコード、全てピックアップすると膨大な数に。その使い方を整理しなければ…。



マイナーキーに含まれる全てのコードについて整理していきます。

各音階度上の機能、そしてそこに含まれる各コードの所属(ナチュラルマイナー … NM、ハーモニックマイナー … HM、メロディックマイナー … MM)を記します。


差し当たって、ディグリー表記(Ⅰm、Ⅴ7、などの音階度数表記)についての備考です。

軽音楽ではディグリーの数字はメジャースケールの音階度を基準にしています。なので、例えば短3度上のコードは「♭Ⅲ」というディグリーネームになります。

クラシックでのディグリーはベーシックなマイナーキーダイアトニックコード(前号参照)に、そのまま「Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ … Ⅶ」を当てはめます。


{F6F83651-7F3C-4386-81CA-030C22FAB2ED}



ここでは軽音楽の表記を用いることにします。


では始めます。キーはAマイナーです。



■Ⅰ(Tonic)

Ⅰm    Am … NM  HM  MM

Ⅰm7    Am7 … NM

ⅠmM7    AmM7 … HM  MM

Ⅰm6    Am6 … MM


・トライアド(Ⅰm)表記であれば、3つのスケールのいずれも選択可能です。ただし、サウンドカラーやジャンルを考慮します。


■Ⅱ(Sub Dominantの代理)

Ⅱm7(♭5)    Bm7(♭5) … NM

Ⅱm7    Bm7 … MM


■♭Ⅲ(Tonicの代理)

♭Ⅲ    C … NM

♭ⅢM7    CM7 … NM

♭Ⅲaug    Caug … HM  MM

♭ⅢM7(♯5)    CM7(♯5) … HM  MM


・♭ⅢM7(♯5)はサウンドが混沌とするため、あまり使われません。

・♭Ⅲaugはクラシックのみにて多用されます。その場合も3rdやaug5thをボトムにした転回形で使われることが多く、それらはドミナントとして機能します。Ⅴ7に♭13thを加えた様子になります。基本形の機能はトニックです。


■Ⅳ(Sub Dominant)

Ⅳm7    Dm7 … NM

Ⅳ7    D7 … MM


■Ⅴ(Dominant)

Ⅴm7    Em7 … NM

Ⅴ7    E7 … HM  MM


・Ⅴm7はドミナント機能が希薄です。


■♭Ⅵ(Tonicの代理)

♭ⅥM7    FM7 … NM


■Ⅵ(Tonicの代理)

Ⅵm7(♭5)    F♯m7(♭5) … MM


■♭Ⅶ(Sub Dominantの代理)

♭Ⅶ    G … NM

♭Ⅶ7    G7 … NM


・マイナーキーにおいては「非和声音を持つⅡdim7」と見なされ、サブドミナントとして機能します。その場合、トライアドの形で使われます。


■Ⅶ(Dominantの代理)

Ⅶdim7    G♯dim7  … HM

Ⅶm7(♭5)    G♯m7(♭5) … MM


・Ⅶdim7はⅤ7(♭9)と同義に捉えられますので、Ⅰmへの強い推進力を持ちます。

・Ⅶm7(♭5)もⅤ7(9)のように解釈できますが、Ⅰmへの推進力はⅦdim7より弱まります。



次号ではこれらの面々が実際にどのようなコード進行になるのかを例示してみます。


つづきます。