医療事務の仕事をしていると、一番腹が立つ瞬間は、塵芥に等しい患者と会話する事だと個人的に思っている。当然、患者全てがそうでは無いのだが、当院では4割を占めている。塵芥が。その時点で、その“瞬間”は合計すれば1日に2~3時間にはなるわけだ。非常に苦痛を感じる仕事である。患者が救われる事はあっても、こちらが救われる事はない。現在の手取りを失う覚悟が無いと辞めようという気にならない。
この仕事をやっていて、楽しいというわけでもないが、心から笑顔になれる瞬間もある。それは年に何度も訪れるわけではない。
「患者が死んだ」と、警察から連絡が入った時だ。当然、筆者が塵芥と思っている患者の事だ。数十人、数百人といる塵芥の内の1つではあるが、非常に嬉しい。今後、この塵芥が増える事だって当然予想されるわけだが、それでも嬉しい。
警察から電話が来るという事は、医療機関でどのような治療を行っていたかを知りたいという事で、それは死因が外傷ではないという事。更に言えば、誰も手を下すことなく、塵芥に触れて手が汚れる事なく、勝手に死んでくれたという事。皆が幸せになれる報せである。
人が死んで、ここまで本気で喜ぶ事ができる自分が嫌になるのも正直な気持ちではあるが、それでも、世界が平和に一歩でも近づくのが嬉しい。筆者個人の五感で感じる事ができる小さな世界ではあるが、不要な物は消え去ればいい。
可能ならば、もっと早く死んで欲しいものだ。


