見下すご婦人。
10年以上前になるけれど市場から軽トラで目利きの良い新鮮な魚を近所に売りに来ていた方がいた。当時はスーパーで買うより少し高いかな、と思ったが、切身は分厚い、デカイ、一尾などは生きが良い、産地も明確、台所を煩わせない処理のものある、旬のものを持ってくる、お勧めと調理、聞けばありとあらゆることを教えてくれた。すぐに人気が出て魚介類が苦手だったという小さい子たちも虜に。売り上げが上々、というところにどこかの義母だろうか。傍にいた子どもが「おばあちゃん!ここのお魚美味しいんだよ!」と満面の笑みで手を引っ張っていた。そのご婦人は軽トラに群がる近所の方々に眉間にしわを寄せながら近づいて、注文はせず嫌そうにそのまま状況を見ていた目はまるで貴族が下人を見る様の超偉そう態度。軽トラの主人は何食わぬ顔に近所の方々は安心して買い物をした。ご婦人はまるで「この私を無視するのか」な視線。軽トラの主人「は?あんた誰?自慢の魚介類に邪魔だよ」感満載。実に小気味の良いこの主人の自信にいつもホッとしていたものだ。だが、この数か月後、お年寄りが多い所に移動することになったから、とほぼ突然の如くのお別れ。ご婦人、何かしやがったのか?!とか思ってしまったよ。一応名刺はもらったけれど、数切れで注文するには申し訳なさがある。軽トラの主人は本当に色々良い方だった。全国各地の旬のもの、客の苦手なものなど勤勉だった。ご婦人よ。あなたが軽トラの主人と同じ舞台に降りてこいや。と思ったね。まず人として失礼過ぎる。満面の笑みだった子どもがそのご婦人を見る目は冷やかだったことは今でも忘れない。