- 今も昔も一番手軽にできる労働はアルバイトです。
そんなアルバイトの求人を見ているとなんとなく怪しさを感じてしまうものもあったりします。
最近では『ブラックバイト』なんていう言葉も生まれ、アルバイトを取り巻く環境が少し不穏なものになりつつあるのを感じます。
そんな時に手にしたのがこの本です。
電子書籍版を購入しました。
多田文明さんの『あやしい求人広告、応募したらこうなった。人気バイトの裏側「実体験」ルポ』です。
多田さんといえばあえてキャッチセールスに引っかかってみたり、新興宗教に入信したりして記事を書くフリーライター。
今回も一般の人が騙されちゃったりするディープなジャンルに自ら飛び込んでみての文章になっています。
そもそもアルバイトがディープなジャンルと思うのがどうかと思うけどね。
今回も軽作業や警備業や清掃業などのアルバイトの王道である職種に実際に応募して、勤務して記事を書いておられます。書いておられた時は45歳の時のようなので、現在の僕の年齢と近い時期です。
なんてったって、不況のせいかフリーライターだけで食べていくのに不安。確かにそうだ。
同じような境遇の個人事業主として同感する部分も多い本でした。
・人が集まらないからなんとかして集めなきゃいけない。
↓
・だから簡単で誰でもできて勤務日や時間が少なくてもできるのを売りにする。
↓
・面接に来たら広告に記載していない厳しい条件を出す。
これって詐欺だよなあと思いますよね。
行ってみたら広告と違うじゃないか!というような求人。
こんな求人ってアルバイトに限らず派遣や正社員の求人でも多く見られると思います。
残念なことですが、僕も離職中にはこんな求人をよく目にしました。
例えばこの本の中にもありましたけど、軽作業と言いながら重労働だったりするのはもちろんのこと、下手したらヘルメットや安全靴は自分持ちだったりすることもありますよね。
これは正社員でも一緒なのですが、仕事で使う機材を自腹を切って持ち込むことを要求される時点でブラックと言ってもいいと思うんですよね。
そんなところまでコストカットしようとするくらいの利益しかあげられてない企業に未来なんかないと思います。
規制緩和の影響で業者が増えて競争が激しくなる。
それはいいことですが、業界によってはその競争が人件費のダンピングになってしまうこともあるわけです。
昔の派遣業界ならスキルのあった人を派遣していたわけですが、今は未経験者でもできるような仕事も派遣になっていたりするのでどうしようもありませんわ。
だけどそんなところしか働くところがない。
それが今の時代と言ってもいいのではないでしょうか。
そんな嫌な時代だからこそ、求人広告を鵜呑みにせずに応募するという心構えも必要だったりするわけです。
このことを体を張って本にされている。本当頭が下がります。
しかもこのようなことを悲壮感をそれほど感じさせない文章で書かれているので、不謹慎ながら面白く読ませていただきました。
アルバイトをするのは若者だけではありません。
今も増えていると思うんですけど、今後は中高年がアルバイトをすることも増えてくるでしょう。
そんな時に必要な知識として読むのもアリですし、単純に読み物としてもいい本だと思います。
ぜひご一読を。
あやしい求人広告、応募したらこうなった。 人気バイトの裏側「実体験」ルポ (文庫ぎんが堂)/イースト・プレス - ¥720
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2016年1月13日(水)敷居の低い読書会
The Gut Cafe(滋賀県草津市・エイスクエア内)にて開催。
2016年最初の敷居の低い読書会となります。
本が大好きという仲間と、本を通していろいろなお話を楽しみましょう。