WOWOWでランボーを観ました。あのスタローンのランボーです。久しぶり。
80年代前半のアメリカってこの映画の通りベトナムの後遺症でかなり荒れてたみたいです。当時、ビートたけしのオールナイトニッポンでも言ってました。アメリカに行って帰ってきたあとのたけしさんがいつもと違ってマジメな雰囲気で話してたのを思い出します。
この頃はまだ映画自体が巨大産業になる前の時代で有名俳優なんか使ってない。映像も地味でアクションはシンプル。スタローンのボディビルもまだ初期。
ストーリーはシンプルそのものでベトナム帰還兵と田舎の保安官との対比がメイン。
2作目、3作目はベトナム軍のヘリを乗っ取ったりソ連軍の戦車をかっぱらって即使いこなすとか、おいおいって演出が多いのですがこの一作目が一番シリアスな作品ではあります。
何も終わっちゃいねえ! 何も! 言葉だけじゃ終わらねえんだよ!俺の戦争じゃなかった、あんたにやれって言われたんだ!俺は勝つためにベストを尽くした。だが誰かがそれを邪魔した!
シャバに戻ってみると、空港に蛆虫どもがぞろぞろいて抗議しやがるんだ!俺のこと赤ん坊殺したとかなんとか言いたい放題だ。やつらに何が言えるんだ!
奴等はなんだ俺と同じあっちにいてあの思いをして喚いてんのか!俺にはシャバの人生なんか空っぽだ!戦場じゃ礼節ってもんがあった。助け合い支えあっていた。ここじゃ何もねえ…
あっちじゃヘリも飛ばした。戦車にも乗れたよ! 100万もする武器を自由に使えた!それが国に戻ってみれば、駐車場の係員にもなれないんだ!!
畜生…みんなどこ行ったんだ…クソ…
空軍にも友達がいた。みんないい奴だった。あっちじゃ友達はごまんといた。それなのにどうだ? ここには何もねえ…
ダンフォース…憶えてる。俺いつかマジックペン一本とって拾い物ってラスベガスに送ったんだ。 俺たちいつもベガスのこと、車のこと喋ってたから、あいつはいつも赤いシェビーのコンパーチブルのこと喋ってた。帰ったらタイヤが擦り切れるまで走ろうって…
俺たちがいたあの納屋に子供がやってきて、靴磨きの箱を持って『お願い磨かせて』そう言ったんだ…俺は断ったが、しつこくせがむんでジョーイは承知したんだ。
俺、ビールを取りに出た。箱に仕掛けがあって、箱を開けるとあいつの体は吹っ飛ばされちまった!すごい悲鳴だった! あいつの血や肉が俺の体にべっとりついてこんなに!!
引っぺがさなきゃならなかった! 友達が、俺の体中に飛び散って!
俺、なんとかあいつを抑えようとした!けど、どうしても内臓がどんどん出てくるんだ! どうにもできなかった! あいつ言うんだ『俺うちへ帰りてぇー帰りてぇー』
そればっかりだ『国へ帰りてぇー帰ってシェビー乗り回してえよー』でも…あいつの足がみつからねえんだ…足がみつからねえんだ…
あれが頭にこびりついてる。もう7年にもなるのに…毎日思い出すんだ…目が覚めて、どこにいるのか分かんねえ時もある。誰とも喋れねえ…時には一日…一週間も…忘れられねえ…あれが…