例年、村山由佳さんの「おいコー」シリーズの新作はサイン会の時に買うことにしてます。しかし去年はそれがありませんでした。
12月に「放蕩記」のサイン会があって時期的にかぶったからでしょうがサイン会がないと村山さんと話す機会がない。買う気にもならない。仕方がないのでずいぶん時間が経ってから買いました。
レビューを見ると酷評の嵐。好意的なものはほとんどありません。
私は今回のラストはよかったと思います。ベタですが恋愛小説はそこを読ませるのが力量というもの。ファンは村山さんにそれを期待してる。できるはずだと。今後の展開は帰国になるんでしょう。
不満から書くと前作はがっかり。作者がストーリーから逃げてしまったし手抜きとしか見えない。オーストラリアなんて出す必然性は何もない。
村山さんもそれが分かってて去年はおいコーのサイン会はやらなかった。客と接するのを避けたと言われても仕方がない。
好意的に受け止めるならば村山さんも危機感は感じてるように見える。いつまでもオーストラリアに逃げてるわけにはいかないことは分かってる。かれんも鴨川にはいられない。
さらに好意的に読むならば村山さんはストーリーを巻き戻したかった。恋愛小説は二人が近くにいると親密が惰性になる。村山さんは性的描写が上手いから官能小説になっちゃう。おいコーもそうなりかけた。作者がいちばん分かってるはず。
二人の距離を置くことで無理やりリセットする。後付けで考えるとそういう狙いだったのかも知れない。
おいコーのストーリーを健全に進めたいなら作者がやるべきことは一つ。親を説得すること。家族ドラマになっちゃうかも知れないが村山さんが自分で播いた種だから仕方がない。その後、結婚して終わるならそれでもよし。読者は納得する。納得しないのは集英社だけ。
続けたいならストーリーから逃げずにオーストラリアで就職するとかかれんを呼ぶとか。オーストラリアは村山さんが煮詰まって血迷ってしまったと読者はみんな感じてるから帰国するのが順当でしょう。
突然登場したアレックスは休憩中のかれんの代わりとしか思えない。星野りつ子のように消えてしまっても誰も文句は言いません。
アレックスのモデルは誰かは気になります。村山さんの好きな洋楽は比較的一般受けするウェストコーストのベタな歌謡曲です。キャロルキングがそうだと言うわけじゃなくて今までのサブタイトルがそうだから。
日本で人気があるレディガガとはキャラが違うようだからギターの弾き語りとしてテイラースウィフトかアヴリルあたり?
今度村山さんに会ったら聞いてみたいです。
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