お通し考察記 ~お通し研究所~ -2ページ目

お通し考察記 ~お通し研究所~

お通し、それは来店して初めに出会う料理、いわば店の表札のようなもの。
お通しを見れば、その店がわかる。
お通しを通じて見えてくるあれやこれや。
だからお通しはおもしろい。

お通しで鮮魚が出てくると、おやっと思う。
それは少しの刺し盛りだったり、白身のお寿司一貫だったり。

それらを目の前に出されると、なんだか挑戦状をたたきつけられたような気分になるのだ。

うちの店、いいもん使ってるよ
原価無視でうまいもん食わせるよ
さあ、まずは黙って食ってみ?気に入ったら料理たらふく食べていってよ

そんな声が聞こえる気がして、一気にテンションが上がる。
ビールで口を湿らせて、お通しをぱくり。
大抵の場合、うまくて身をくねらせ、店の策略通りファーストオーダーでたくさんの注文をしてしまう。
そして事実、そんな店は何を食べてもハズレがない場合が多い。

しかし刺身のお通しでハズレのケースがある。
それはお通しでマグロぶつをだすお店に多いような気がする。
スーパーで購入した、水っぽいマグロぶつ。原価は高いが味は微妙。
そこにこだわりはあまりなく、まぁこれでも出しとけばいいでしょ的なものを感じてしまう。
そしてそういう店は料理も普通、もしくはコスパがわるいケースが多い気がする。

やはりお通しにはその店のマインドが色濃く反映されているのだ。