マルチカルチャーを生きる子どもーTCK, CCKとは何か | 海外生活・国際恋愛カウンセリング

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海外在住のみなさん、こんにちは。

 

TCK、CCKとは、マルチカルチャーを生きる子どもたちのことです。

 

TCK(Third Culture Kids)は、1960年代に社会学者のルース=ヴァン・リーケンが使い始めた言葉で、帰国子女など子ども時代を母国以外の国で送った子どもたちを指します。

 

ファーストカルチャーが両親の国の文化で、セカンドカルチャーが子ども時代に住んだ国の文化とすると、TCKには、母国でもなく、外国でもない、サードカルチャーを生きる子どもたちという意味が込められています。

 

CCK(Cross Cultural Kids)は、TCKに、国際結婚・移民・エスニックマイノリティーの子どもなどを加えた総称です。「異文化間に生きる子どもたち」を意味します。もともとTCKの特徴とされてきたことが、ハーフ(ダブル)や、移民、転勤族の子ども(国内でも)にも共通することがわかったので、ひっくるめてCCKと呼ぶようになりました。

 

TCK、CCK最大のグローバルネットワーク、TCKidNowによると、以下のような「あるある」があります(抜粋)。(「TCKあるある」も参照)

 

・Where are you from?と訊かれて複数の国を答える

・よちよち歩きを覚える前に、飛行機に乗っていた

・単一民族文化圏にいると違和感を覚える

・母国に戻ってカルチャーショックを受ける

・「何歳まで~に居て」「その後~に行って」「その後~」と、長々説明しなきゃいけない

・800キロ離れた土地を「近い」と感じる

・数ヶ国語がごっちゃになる

・海外フライトに慣れすぎている

・パッキングが早い(引っ越しに慣れすぎている)

・友達は国別に把握している

・数年ごとに別の国に移りたい気持ちが芽生える

・なんだかんだいって、世界は狭いと思う

 

TCKidNowでは、TCKの特徴を以下のように挙げています。

 

・TCKの81%が大卒(アメリカの一般的な大卒率の4倍)

・40%が大卒以上の学位を得る

・45%が学位を得る前に3つの大学を経験している

・44%が22歳以降に大学院を出る

・TCKは、教育・医療従事者、専門家、自営業などになりやすい

・TCKが大企業や政府関係で働くことは稀。親の選んだ道を進む人は少ない。

・90%が周囲と「ズレている」と感じている

・90%が平均的なアメリカ人よりも異文化を理解できていると感じている

・80%が誰にでも合わせられると感じている

・TCKの離婚率は平均よりも低いが、婚期は25歳以上と遅れ気味

・言葉が得意

・10代では大人びているが、20代になると大人になるのに時間がかかる

・コミュニティに入るよそ者を歓迎しやすい

・「故郷」という意識は薄いが、愛国心はある

・うつ病、自殺率は高い

・「一つのところに落ち着きたい」と思う人もいれば、「休まることなく動き回る」人もいる

 

TCKのみなさん、もしくはTCKのお子さんをもつ親御さん、いかがでしょうか。

 

 

私は、自分と周りのTCKを見て、あてはまることもそうでないこともありますが、高学歴傾向なのと、専門職・自営率が高いのと、周囲とズレている感じ、誰とでもうまくやる、10代では大人びているが、20代はちょっと子どもっぽい(笑)、うつ・自殺率は本当にそのとおりだと思います。

 

 

 

数年前にメキシコシティの日本人学校で、PTAさん主催の講演会をさせていただいたときに、TCKとCCKについて以下の特徴をお話しました。

 

・どの文化に対しても完全に一体化しない。

・移動もしくは所属するグループ集団によって、ものの見方、考え方、行動が変化する。アイデンティティがたえまなく再編される(複雑なアイデンティティ)。

・与えられた場所でのポジショニング(位置取り)に敏感になる。

・周囲からのラべリング(レッテル貼り)に悩みやすい。

・固定観念にとらわれにくく革新的なアイデアを生み出すことが多い。

・社会・文化に偏見を持ちにくく広い視野から見ることができる。

・家族が心のよりどころになることが多い。

・モノカルチャー(単一文化)の中では、文化的マイノリティやマージナルな存在と気が合いやすい。

 

また、TCKを育てるご両親や、TCKに接する方に向けて、以下のアドバイスをしました。

 


・TCKの居場所探しには、根気強く、長期的につきあってください。居場所は1つでなくても、完璧でなくてもいい。
 

・複雑なアイデンティティをポジティブに見てください。「欠けているところ探し」をしないでください。
 

・TCKをTCKというだけで「すごい(恵まれている)」「かわいそう」と見ないでください。

 

・異文化の友達や異質な友達を作るのをあたたかく見守ってください。

 

 

・「どこにも所属しない」というアイデンティティーがあってよいと腹をくくってください。

 

 

私自身がTCKなので、熱がこもった話になりましたが、ありがたいことにたくさんのお母さま方からとても好意的な反響をいただきました。

 

TCKやCCKを一言でいうと、どこにも一体化せず自立しがちで強い反面、周囲とのズレや多彩なアイデンティティにより悩みがちで弱い部分ももつ、ということになります。

 

私自身、TCKやCCKの悩みに敏感であると感じています。ささいな悩みでも、どうかご相談いただければと思います。

 

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