4月25日/日本時間26日:デンマーク・コルディングのシドバンク・アリーナで開催された、プライムタイム・ボクシング興行。
メインイベントは WBCスーパーミドル級挑戦者決定戦、WBO3位/WBC4位/IBF8位 ヤコブ・バンク(25=デンマーク:18戦全勝10KO)vs WBO7位/WBC16位 パウリヌス・ヌジョロニム(38=ナミビア:20勝18KO1敗)。
バンクは今年1月、保持するWBOグローバル・スーパーミドル級タイトルの防衛戦で、元IBF同級王者 ウィリアム・スクル(キューバ )に 3度のダウンを奪って12ラウンドKO勝ちした一戦以来、ヌジョロニムは昨年11月、スナミソ・ヌトゥリ(南アフリカ)に10ラウンドTKO勝ちで空位の WBCアフリカ王座を獲得して以来のリング。
結果は バンクが 5ラウンド 1:19 KO勝ち。
ジワジワとプレッシャーをかけて出るヌジョロニムに、ノーガードのバンクが小刻みなサークリングで動きつつ、相手の入って来る所にジャブや左右アッパー等を合わせて行く形で試合スタート。
両ガードを始終下げっ放しのバンクは、あまり手を出さないヌジョロニムにヘッドスリップ、ダッキング、小さなスウェイ等の見切りディフェンスでマメに打って離れてを繰り返し、一先ず簡単にペースを掌握。
3ラウンド、ヌジョロニムがプレスを上げ左右フックを強振して迫るも、バンクは上体を振りフットワークで動いてかわし、単発のパンチを上下に放って対処、続く4ラウンドも行こうとする所&打ち終わりを狙われるヌジョロニムはなかなか思い切った攻めが出来ず、バンクがリードを拡大。
迎えた 5ラウンド、開始50秒のあたりでバンクの左ボディフックが決まると効いたヌジョロニムの動きが止まり、すかさずデンマーク人が詰め寄って追撃。
ジャブでニュートラルコーナーに追い込み、もう一度軽いジャブ→ 形だけのショートの右→ 触った程度のジャブが当たるとヌジョロニムは腰を落とし、アッサリと力なくダウン。
片膝を着いた状態でカウントを聞いたナミビア人はそのまま立てず、呆気ない感じで試合終了。
個人的にはこの試合のことを事前に把握しておらず、興行が行われた日の情報をチェックしていた際に結果速報を見て、こんな試合やってたんだと初めて知った、という有り様でしたが…
それはともかく、勢いに乗るバンクが難なくエリミネーターを制し、WBC王者 クリスチャン・エムビリ(仏)への指名挑戦権を獲得。
とはいえ、エムビリは 9月12日にサウジアラビアで元4団体統一王者 サウル “カネロ” アルバレス(メキシコ)相手のV2戦の交渉が進行中と伝えられ、早い時期でのバンクの世界挑戦は難しそう。
昨年9月、テレンス・クロフォード(米)に敗れて王座陥落したカネロは、それでも相変わらず王様気分&トップスター気取りで 9月の再起/復帰戦は世界タイトル戦でなければ駄目だと要求、そのだいぶ目減りした筈の商品価値を利用し、儲けられるだけ儲けようと目論むプロモーター側もこれに同調している&通常の防衛戦より遥かに稼げるため、エムビリもたぶん対戦に前向きと考えられることから、おそらくこのカードは計画どおり決定する可能性が大。
他方、WBCのスーパーミドル級には暫定王者に レスター・マルティネス(グァテマラ)が存在しており、バンクが名だけの王座でもいいから早く世界のベルトが欲しい、というならこっちを狙う選択肢もあり…
もちろんタイトルの価値はないに等しいにしろ、マルティネス、バンクともに世界の一線を窺うための腕試しとしては格好の対戦相手で、もしやることになったら観たいカード。
ただ… そもそもバンクが世界挑戦に相応の選手かといったら、慎重派寄りな傾向の自分としてはちょっとまだ早いんじゃ… な気が。
ノーガードのディフェンスも特に防御勘が優れているほどには感じられず、実際この試合でも少なからず軽い被弾があったなど、けっこう穴も目につき普通に危なっかしい印象。
でもその逆には、19勝中で11KOという数字以上にパワーがありそうとか、長所面でも未知数さを残していると思うので、やはり有望選手の1人ということには間違いなし、かと。
母国デンマークでは、元WBAスーパー&WBCスーパーミドル級王者 ミッケル・ケスラー氏以来の世界王者&スター候補と期待を集めるバンクが、このタイミングで指名挑戦権を手に入れたことが吉と出るか否か、次戦のマッチメイクも含め今後に注目。
敗れたヌジョロニムは、初の海外試合だったらしい前々戦で初黒星を喫した後、再起戦1戦だけでエリミネーターに出場して完敗という、モロに役不足を曝した格好。
WBCの16位のランクは、その前戦でWBC下部組織のアフリカ王座を獲った副賞的なものでしょうけど、20勝18KO1敗のキャリアはアフリカ圏でアフリカ人を相手に築いたに過ぎず…
おそらく、バンク側のプロモーターがその好戦績&高KO率に目をつけてアンダードッグに引っ張り出したものと推測しますが、その思惑どおり全く何も出来ないまま、どころか脆さを露呈しての呆気ないKO負け。
今後について何か言おうにも、何と言えばいいのか全くわからない感じですけど、少なくとも世界戦線で名前を聞くことはもうないんじゃないかな、と思います。