埼玉県の流水プールで女児が吸水口に吸い込まれて死亡してしまうという痛ましい事故がありました。
過去に同様の事例はいくらでもあり、また、吸水口の吸い込み防止の柵がはずれたことが分かった段階
で、事故発生の可能性は予見できたであろうに。。。
テレビのニュースでは、「マニュアルは整備されていたのか?」というところを問題にしていましたが、それ
よりも、同様の事態に対して、どのような危険があるのか、その危険予知への想像力、およびたとえ利用者
の不満があろうともポンプを止め、また、利用者をプールから出す、という判断力がプール監視員になかっ
たことが大問題です。
優れたマニュアルを整備することは、一見望ましいように見えて、その実、あまりに分厚いマニュアルを
作ることになり、実際には読まれない、という恐れがあります。
マニュアルは本当に基本的なところ、重要なところに絞り、例えば、
○利用者の怪我や事故が想定される場合には、全員を速やかに退出させる。
などの記述に留め、あとは危険予知の訓練を行うべきです。
それにしても、新しい施設を作る人間については、それなりの(能力の)レベルの人が対応するのに対して、
ついつい保守に携わる人間は不十分な能力の者をあててしまうというのが大きな問題です。
しばらく前に、原発の配管が20数年点検されずにいた、という話がありました。人間の運用の際に、数年に
一度は、優れた能力の人間を保守に回し、しくみの見直しをさせる必要があるのかも知れません。