2007年にバルブスプリング折損に起因するトラブルでオーバーホールしたエンジンですが、15年目にしてまたオーバーホールすることになりました。
ことの発端はオフミに参加するための道中でした。その日も高速道路で高回転域の点火時期の調整をしながら移動していました。5000回転以上の高負荷域でノックが出るのが確認できたため、その帯域の点火時期を遅らせて全体的にいいところに落ち着いたと満足して、岡谷で高速をおりました。
そこから和田峠を越えて目的地に向かったのですが、和田トンネルを抜けた長い下りで後方が霞んでいるような… ミラーでよく見ると、強くエンジンブレーキを掛けると白煙が出ています。あわてて峠をほぼ下りきったところの道の駅の駐車場に入って確認してみます。一旦エンジンを止めてからの再始動は問題なし。アイドリングで異音や回転の乱れは感じられません。空ぶかししてスロットルを急に閉じると…わっと白煙が出ます。オイル上がりですね。当日出発時には当然全く問題なかったので、ここまでの道中で問題を起こしたようです。
確かに、高速ノックが出るのは確認していましたが、出ていたのはモニターで確認していたほんの数秒で、その直後はエンジンブレーキ時に白煙は出ていなかったと思います。従って、高速ノックによる直接の深刻なダメージ…ピストントップやヘッドの溶解の可能性は低そう。あるとすれば、たまたま起こったピストンの棚落ちとかリングの固着が疑われます。
とりあえずオイルができるだけ減らないよう、エンジンブレーキを使わないよう走ってオフミの集合場所に到着。そこで「やっちまった!」の告白と同時にチェック開始。と言っても、プラグを抜いて見えるところを覗くくらいしかできないのですが。
すると、2番と4番のプラグの中心電極が少し溶けていました。タイミングを早めた結果、燃焼室の温度が上がっていたようです。そういえば、来る前の最後の調整の後、水温もだいぶ高めになっていました。排気温度計もつけないといけませんね。
プラグ穴から覗いたところではひどいダメージはなさそうなので、家まで250kmくらいは自走で帰れそうです。ただ、溶けたプラグはまずいので、交換用を買いに行くことにしました。お友達の車に乗せて頂いて、まず近くのカー用品店に行きますが、店頭にはほんのわずかしかプラグが置いてありません。次に行ったところは全て取り寄せ…プラグ磨きやプラグ交換なんて当たり前だった世代としては、驚きでしかありません。そこで、整備工場に電話するも、適合するものは在庫なし。最後の頼みの綱で、バイクショップに電話すると、「ああ、ありますよ」の返事。M88のプラグがバイクサイズで助かりました。
バイクショップで2番ほど冷え型の普通のプラグを6本買って交換して、点火時期も全帯域で1°遅らせて走ってみて、プラグの焼け具合は問題なし。とりあえずプラグの件はよしとします。
翌日のオフミから帰りは、心配して伴走して頂けるお友達がいましたので、ご厚意に甘えて2台で帰路に。エンジンブレーキを使わなければオイル消費も大したことはないと踏んでいたのですが、高速道路巡行ではそれなりに減るようで、小淵沢で中央道に入って岡谷のジャンクションの手前で油量警告が点灯しました。まだ少しは走れるはずなので、油圧警告が点灯する前に補充しなければなりません。間抜けなことに、その時点までオイルの手配をしていなかったので、伴走車と相談して、伊北で出て最寄りのカー用品店でオイルを手配することにしました。さすがにオイルは置いてありますが、予想通り50番のオイルはなし。かろうじて40番がありましたので、4リッター缶を買って補充。1.5リッターほど入れてレベルゲージの目盛りの下端までになりましたので、2.5〜3リッターくらいはあったようです。
これでなんとか家まで帰れましたが、どう考えてもエンジンオーバーホールになります。次の週からさっそく作業に取り掛かることにしました。
