コミカルな曲が始まる
バカバカしいが、決してくだらなくはない
くだらなくないから、想わず笑ってしまう
下ネタの曲でも下品さを感じさせないのは流石だ
そんなコトを考えていると、今度は社会や常識を辛辣に皮肉るシニカルな曲が始まる
えっ、そこまで言っていいの?
そう想ったりするが、ラジカル(過激で根源的)で、TVなどでは言えない「真実」を捉えている
聴きながら、私はいつの間にか腕組みをする
「うむ・・・」
いや、ちょっと待てよ
_ どこにも「真実」など無い _
ひょっとしたら、彼らはそう想っているのかも知れない
そういう虚無的で、冷めた所も見え隠れする
達観してるな・・・
ダダイストなのか?
しかし、そんな押し付けがましくない所が、また、いい
感心していると、この「既成概念の否定」は、次の曲で悲哀を込めた「自虐ソング」に変わる
「ウン、ウン」
今度は、私自身が身につまされ、想わず小さく頷いてしまう
なるほど・・・
彼らの「猜疑心」は、社会や常識だけに止まらず、同じ様に自分自身に対しても向けられているんだ
だから、「おもいあがり」も「ひがみ」も感じさせない
「厭世家」でも「自虐家」でも、だだの「皮肉家」でもない
真実と虚構
情熱と虚無
良心と偽善
夢と挫折 ・・・
きっと、この相反するジレンマが「藤岡藤巻」の常に引きずっているテーゼ(哲学)なんだろう
_ 信じたいために、疑い続ける _
エセ恋愛ソングや、薄っぺらなプロテスタントソングにない、このタブーな領域に挑みながら、
「藤岡藤巻」の楽曲には難しい顔をせずに聴いていられる不思議な魅力がある
きっと、彼らの引き出しの多さと、確かな洞察力がそう想わせるんだろう
「哀笑」と「苦笑」をくり返しながら、ついつい心が動かされてしまう
その多彩な「変化球」に眉をひそめる人もいるだろうが、老若男女、年令の拘らず、
彼らにシンパシーを感じる人は、もっと沢山いるはずだ
偽悪ぶったり、ふざけている様にみえて、彼らは至極、真面目な心根の人なんだと想う
老齢になったとはいえ、その精神は「まりちゃんズ」時代から少しも変わっていない気がする
「売れたい」と想っているのかも分からないグループ
70過ぎのエンターテナー
メジャーになってもらいたい様な、ニッチな世界に留めて置きたい様な・・・
そんな唯一無二の「藤岡藤巻」
私は、気に入っている
ちょっと、ほめ過ぎたかな・・・