我が家の決定権は妻にある
私が何を言おうと
正論で説き伏せられ
反論することなんて許されない
『タカシ!父さんと散歩にいこう!』
私は妻がまだ寝ている間にタカシを連れ出す事にした
面倒な説明をする手間を省いた
新河岸川の土手から宗岡第三小学校の校庭が見える。
最近ここから野球を観るのが楽しみだ
『タカシ!あれなにやってるんだろうなあ??野球〰かな?』
ちょっとわざとらしい
あっ!もしかしたら友達がいるかも!!
タカシはグラウンドに向かって走り出した
やったうまくいった❗
最高の展開だ
このままタカシは野球少年だ
タカシを追いかけながら
足は無意識にツーステップしていた
はずかしいが先にグラウンドについたのは私だった
『すみません!野球のたい・・・』
体験ですか~!??
大歓迎です!どうぞ!!
名前は?
タカシくんね?
一年生なんだ〰
監督❗体験のタカシ君一年生です
昨日の夜、布団のなかで何度もシミュレーションしていた。
タカシは野球経験もなく、身体も強い方ではないので迷惑をかけないか心配です。
私は高校の部活で野球をしてましたがレギュラーではなかったので上手いか?と言われると自信は無いのですがそこそこ出来るとは思います。
息子ができたらキャッチボールをする。当たり前のように思っていた夢だったのに、仕事に追われる毎日のなかで、その夢をすっかり忘れていたんです。
でも、この間、偶然にヤンガーズの試合をみて思い出しました‼
とにかく私は息子とキャッチボールがしたいんです。今日は体験ですがよろしくお願いいたします‼
そんな説明をしようとしていた。
でもしなくて良かった。
タカシは楽しそうにボールを投げている
私は自然とタカシのそばで練習を眺めていた
なにやってんだ!あ~っっ
そんなんじゃ、ダメだなぁ〰
タカシ君!初めてなのにすごい上手いね
![アップ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/173.gif)
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次は早いのがいくぞ❗とれるか??
やった〰❗❗❗
ドキリとした。
タカシはボールを私に見せるように高くあげ、ニコニコ笑っている
野球の楽しさを学ばせたいはずなのに、オレってやつは。
その時、携帯のメロディが鳴った
お父さん今どこ?タカシも一緒なんでしょ?
『タカシも一緒にちょっとあれだ。さんぽ?みたいなやつだ。』
お昼には帰ってきてね‼ガチャン
タカシは楽しそうに野球している
問題はただ一つ。妻だ。
次回。妻との開幕戦
この物語はフィクションです
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全ての隠れタカシの父へ送ります