05/01 thu 25.18
韓国旅客船沈没事故、死者219人。深夜、バッハの無伴奏チェロ組曲を聴く。作曲家35歳の作品。39年カザルス盤。1番にカザルスあり。05/02 fri 26.17
最高気温26℃。バッハのチェロ、輪廓優雅な60年フルニエ盤、才気煥発たる雄弁な85年マイスキー盤、古楽奏法で主張明確な92年ビルスマ盤、表現豊富で変幻自在な03年クニャーゼフ盤は世評高し。だが、92年ロストロポーヴィチ盤に親炙した耳には、もはやこれ以外ない。ソルジェニーツィンの庇護者、大江健三郎の愛読者、この文人チェリスト、雄渾。
05/03 sat 26.16
99条を蹂躙した憲法記念日。朝、常磐線にて人身事故のため、振替輸送。初めてつくばエクスプレスに乗車。流山おおたかの森へ向かう車窓の田園風景はlocus amoenus。カザルスもロストロポーヴィチも、無伴奏チェロ初録音は60歳以降だという。耳順(?)に、もうレコーディングしてもよかろうと確信を得たか。頭下がる。
05/04 sun 23.15
陽射しやわらぐ。躑躅満開。昨日知り合った女の子にモーツァルトのフルート協奏曲を2枚貸す。74年ゴールウェイ&バウムガルトナー盤と、97年パユ&アバド盤。23時「トンイ」最終回を視聴。暮春静穏。
05/05 mon 21.17
早朝05時18分、都内で震度5観測、拙宅さまで揺れず。外出先の船橋より帰宅後、2010・11年のブッフビンターによるベートーヴェン3大ピアノソナタを初めて聴く。月光>悲愴>熱情。「シフ盤に並ぶ今世紀の到達」と称されるも、エミール・ギレリスに及ばず。
05/06 tue 18.14
朝晩肌寒く、花冷え。帰宅後、ベートーヴェンのピアノソナタ集(17・21・23番)を05年ファジル・サイ盤にて。とりわけ「熱情」の無窮動は全身発光体的な迫真性。爾来他の「熱情」は聴けない。ゴールデン・ウィークおわり。
05/07 wed 22.11
冬の如き寒さ。名のみの立夏。最低気温11℃。韓国の沈没事故は死者269人、行方不明33人。モーツァルトのピアノソナタ10&13番、燦然たる97年ファジル・サイ盤、ついで、清新なる74年マリア・ジョアオ・ピリス盤。モーツァルトには、すべてが表る。
冬の如き寒さ。名のみの立夏。最低気温11℃。韓国の沈没事故は死者269人、行方不明33人。モーツァルトのピアノソナタ10&13番、燦然たる97年ファジル・サイ盤、ついで、清新なる74年マリア・ジョアオ・ピリス盤。モーツァルトには、すべてが表る。
05/08 thu 22.16
運転免許更新。写真の形相まるで指名手配犯のごとし。野間宏+晩年のラフマニノフのよう。志の卑しいせいか、ショック。士大夫3日書読まざれば理義胸中に交わらず面貌憎むべく変わる。マリア・ジョアオ・ピリス89~91年の第2回モーツァルト・ピアノソナタ全集聴く。このモーツァルト・シリーズ↓愛蔵。
05/09 fri 27.17
今年最高気温。シューマンの交響曲全集、一時期バーンスタイン盤に指を屈すも、最近、08・09年録音、10年発売のサカリ・オラモ盤を好む。とりわけ偶数番がシャープ。胸、余響轟く。
05/10 sat 25.14
快晴。昼にシューマンの交響曲第4番を53年フルトヴェングラー盤で聴く。ディオニュソス!
05/11 sun 25.17
陽射し強し。同盤収録の51年フルトヴェングラーによるハイドン交響曲第88番を聴く。半世紀以上昔の演奏だが依然オケの亀鑑。続けて61年ワルター盤。音楽のスケール、深く、大きく、そして崇高。楽団員も積極的。
05/12 mon 23.17
花曇り。ケータイをiPhoneに変更。現在使用の機種が電池膨張につきケース上下に隙間生じ不便、さらに、利用獲得ポイントも今月末に失効のため。機種変更やインストールに3時間半を要する。とほほ。帰宅して18時過ぎ「忍たま乱太郎」観る。オープニングの「100パーセント勇気」一緒に歌う。
05/13 tue 25.18
甲府では31℃とか。iPhone慣れず。ハイドン弦楽四重奏77番、53年ウィーンコンツェルトハウスSQ盤は詩情濃厚、73年ベルクSQ盤は躍動的、74年ウィーンSQ盤はエレガント、76年イタリアSQ盤はアンサンブルの極致、93年カルミナSQ盤は颯爽たるボウイング、93・94年ベルクSQ盤はデュナーミクの幅が73年盤より広く、音楽的な対話空間が現出。ただ、アクセントが強すぎる。
05/14 wed 26.16
腕時計の電池交換1620円。iPhoneケース3580円。ともに吉祥寺にて。初めてドン・キホーテに入る。俗用多端。バッハが煎餅なら、ショパンはデコレーションケーキ。ノクターンはフランソワ盤、エチュードはポリーニ盤、バラード&スケルツォはルービンシュタイン盤、プレリュードはアルゲリッチ盤、バルカロールはボシュニアコーヴィチ盤、ワルツはリパッティ盤、ポロネーズとソナタとマズルカは決定盤なし、即興曲は聴かず。夜らしく59・66年フランソワ盤の夜想曲を聴く。
05/15 thu 19.15
朝方あたたかい雨。ノクターン13番を聴く。ポリーニの60年ショパンコンクールのライヴ。贖罪を乞う懺悔の登り坂を歩む主題部、天上の音楽たるアルペジオから渦巻く怒涛のオクターヴへ向かう中間部、そして再現部はこの作曲家の独擅場。ポロネーズ第5番とともに審査員を戦慄させし歴史的名演。本日満月。
05/16 fri 23.14
セウォル号沈没から1ヶ月。304名遭難。いまだ20人が冷たい海の中。毎日気重し。河出書房新社より池澤夏樹個人編集「日本文学全集」の梗概発表。読まずにすみそう。バッハのゴルドベルクを聴き、静かに就寝。55年→81年グールド盤。心地よい風。
05/17 sat 23.14
朝昼、窓を開け、部屋の整理。大音量でベートーヴェンの交響曲を聴きながら。4番は鮮烈な流動感迸る82年カルロス・クライバー盤、6番は草が花なら嵐は颱風の58年ワルター盤も。小嶋陽菜がこじはる、小島瑠璃子がこじるり、ならば、小島信夫はこじのぶ? 2010年、批評集成8巻刊行の際、出版社はこう宣伝した。「全巻御予約いただいた方に、非売品の『小島信夫読本』(仮)をもれなくプレゼントいたします。」だが、いまだ受け取らず。まさかないことに? 許さないぞ、水声社。
05/18 sun 23.16
一陣涼風あり、微暑快く、濃緑眩し。夜、クラシック音楽館放送。N響・マリナー指揮によるモーツァルト交響曲39番。この人も、サバリッシュも、アシュケナージも、教科書的。カール・ベームの如きモーツァルトを望む。プログラム前半、協奏曲22番のピアニストであるティル・フェルナーによるアンコール、リスト「巡礼の年」より「ヴァレンシュタットの湖で」は、清風地払う爽やかさ。
05/19 mom 24.17
昨夜に続き、モーツァルトの交響曲40&41番。愛聴の06年ミンコフスキー盤にて。去年の日記(3年日記)に「精神生活を大切にしなければならぬ」と。ここ数日、ウクライナ政情不安、W杯メンバー発表、ディズニー新作映画、集団的自衛権、覚醒剤所持の歌手逮捕、騒擾耳に満つれど之を記さず。吾が事に非ざればなり。
05/20 tue 24.17
皐月下旬、ホトトギスの季節。ブラームスのヴァイオリン協奏曲を聴く。流麗で軽快な62年ハイフェッツ盤、荘厳で重厚な60年オイストラフ盤、水と油、甲乙つけがたし。ハイフェッツの天禀を改めて感ずる。花の下には風吹くばかり。
05/21 wed 18.15
小満。未明より激しい雨。梅雨入り間近か。ブラームスのピアノ五重奏。フォーレ、シューベルト、シューマン、ドボルザーク、ショスタコーヴィチ、数多あるQuintetteでは真っ先にこれ。63年ゼルキン&ブダペストSQはストイックかつ厳格な表現方法。68年エッシェンバッハ&アマデウスSQはピアノの繊細とストリングの粗雑。79年ポリーニ&イタリアSQ盤は構成力堅固だが弦の音色が惜しい。夜晴れ。空気ひんやり。
05/22 thu 22.16
韓国客船沈没、死者288名、依然16名不明。本件同様、修学旅行生遭難の紫雲丸、死者行方不明者304人のせきれい丸、いずれも船長は救出の際に退船拒否し殉職。憂鬱。ぐずついた天気。14時半頃、曇天顛沛雷雨。昨夜のブラームスのピアノ五重奏を、2台のピアノソナタ版で聴く。93年アルゲリッチ&ラビノヴィッチ盤。ブラームスらしい第3楽章が豪放磊落。
05/23 fri 23.16
不眠。落ち込む。ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を78年ホロヴィッツ&オーマンディ盤で聴く。このピアニストお得意の最難/災難曲。
05/24 sat 25.19
不眠。落ち込む。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を89年スルタノフ&ショスタコーヴィチ盤で聴く。死神に接吻されしピアニストの遺作。
05/25 sun 28.19
不眠緩和。湿度高し。今年1番の暑さ。大相撲は千秋楽。近所の書店で『岸辺なき流れ』をみかける。そりゃないよ。御茶ノ水の明大前にて右翼の街宣車数台が大音量でアジる。警察の装甲車が包囲。付近騒然。ラフマニノフのピアノ・ソナタ第2番、92年スルタノフ盤。
05/26 mon 22.18
風強し。会いに行けるアイドル襲撃のニュース観ながら「この《商法》は改めるべき」と思いつつガムを噛んでいると銀歯が抜ける。ちくしょう。急遽歯科受診。診察室でオルゴール調ドビュッシー流れる。音楽ではドビュッシー、歌人では折口信夫、作家では江國香織、どうも生理的に合わぬ。帰宅後、試みに78年ミケランジェリのドビュッシー前奏曲集1巻を聴くも、1分で断念。75年ミケランジェリ盤シューマンのカーニヴァルに切り替え。この人のリサイタルを1度聴きたかった。
05/27 tue 25.19
未明に雨。くもり。夜、ベートーヴェンのピアノソナタ27・28・30・31番を聴く。31番は最愛曲。脱魂確実。バックハウス、ケンプ、グルダ、リヒテル、ブレンデル? ギレリスでしょ。人類遺産。
05/28 wed 25.19
本を買う。「群像」「新潮」『井筒俊彦全集』『明治の表象空間』の4冊。『井筒俊彦全集』は今回から帯の文言が刷新!さて、ベートーヴェンの交響曲第8番は、第4番と並ぶ愛聴曲。全交響曲集から、57年クリュイタンス盤は音色が透明かつ高密度、72年ベーム盤はおおらかなアプローチ、75年クーべリック盤は洗練された建築的完成度、76年カラヤン盤はカラヤンによるカラヤンのためのドラマティック的構成、95年チェリビダッケ盤は相変わらずテンポ遅くユニーク、01年アバド盤は楽観的かつ総花的だが意外に聴き所多し。
05/29 thu 26.19
鞄の中の財布より現金全財産盗まれる。かなしい。だが昨日内に書籍へ散財してよかった。防犯カメラの解析依頼など手続きが煩雑。こういう日はサティのピアノ曲集聴く。すなわち、ジムノペディ、グノシエンヌ、でぶっちょ木製人形へのスケッチとからかい、ひからびた胎児、官僚的なソナチネ、最後から2番目の思想、犬のための本当にぶよぶよした前奏曲、5つの夜想曲、梨の形をした3つの小品、風変わりな美女(真剣な幻想曲)。もちろん83~86年チッコリーニ盤。
05/30 fri 26.19
京都や大分にて35℃近く、都内でも真夏日観測地点あり。昨日の現金盗難、防犯カメラはダミーとの旨。再びショック。銀行にて預金引き落とし。銀行は我が最も嫌悪する場所なり。帰宅後シューマン・モード全開の歌曲「献呈」を聴く。リストは、ベートーヴェンの交響曲や「献呈」をピアノソロに編曲したが、ベートーヴェン4番・6番のみ可。前者はカツァリス盤、後者はグールド盤、これは泣ける。
05/31 sta 30.19
日本列島炎暑。猛暑日も。町内が祭の喧騒ゆえ蟄居謹慎。ラインベルガーのミサEs-Dur op.109と、ブルックナーのミサe-Moll WAB27を聴く。前者89年Kammerchor Stuttgart盤。後者07年SWR Vokalensemble Stuttgart盤。バッハのチェロ5番以来のピカルディの3度にて5月終了。アーメン。何事も「あっというま」という感覚がない者のため、今月も1日1日が長く、1ヶ月もまた長かった。
ときに余白を借りてお断り、宗近欽吾のサンセリテ、その中身たるや事の雅俗を問わず、開始から丸2年、なぜ急に始めたのかと問われれば、ただ風の吹き回しというばかり、この獺の魚祭、諸般の事情につき、これをもって所謂ドゥルーズ的コネチカット(Connect-I-cut)すなわち打ち止め、悪しからず。いつか、どこかへ、つづく、かも。









