１０月７日（火）

南原幹雄著『天下の旗に叛いて』

福武文庫

１９９６年１月１０日発行

室町幕府に抗して滅ぼされた四代目鎌倉公方足利持氏の遺児たちは幕府軍に追われる流浪の身となっていた。下総国の豪族結城氏朝、持朝父子は義によってこのかつての主君の子を擁し、天下に叛旗を翻す。押し寄せる十万余の大軍を相手に、わずか一万の軍勢は果敢に戦い続けた。室町時代中期、関東を揺るがせた大いなる叛乱。戦場に展開するさまざまな人間模様を描く歴史長編。

永享の乱（永享１０年・１４３８年）で敗れた足利持氏の遺児を城に迎え入れ、幕府軍に叛旗を翻した結城氏の「結城合戦」（永享１２年・１４４０年～嘉吉元年・１４４１年）がテーマになっています。

小説を盛り上げるためでしょうか、結城持朝の妻は大山相模介信家の娘美奈となっていますが、実際には常陸守護で佐竹氏第１２代当主の佐竹義人（応永７年・１４００年～応仁元年・１４６８年）の娘であったようです。

私めの生まれ育った横浜市金沢区には、足利持氏が創建し、子である古河公方成氏が能山聚藝禅師に父の供養を依頼し、明応２年（１４９３年）５月、禅師が入山したという竹嵓山禅林寺があります。

また、持氏が戦に敗れ逃げ込んで剃髪したという金沢山称名寺や永享の乱で持氏に従い自刃した海老名尾張入道の墓（泥牛庵）などが伝わります。

久しぶりに関連する地を歩いてみようかな。（影響されやすいんですよね～）